旅先で出会った人が
ある日突然亡くなることも…

ショックなことに、旅先で出会った人が突然亡くなることもあった

ブラジルで出会った世界一周中の若い夫婦は、アマゾンでマラリアにかかり、病院に行く前に2人とも発熱して亡くなった。都心部にいればすぐに病院に行くことができて助かったかもしれないが、熱帯熱マラリアは発症から24時間以内に治療しないと重症化し、死に至ることもあるのが恐ろしい。

また、ケニアのナイロビで知り合った欧米人の青年は、信号待ちで強盗に襲われ、銃で撃たれて亡くなってしまった。治安の悪い地域では「強盗に襲われるから信号は止まるな」とよく言うが、全ては運次第なのかもしれない。旅先で危ない目に遭わない人もいれば、どれだけ警戒していても事件や事故に遭ってしまう人もいる。

ケニアのサバンナで早朝気球に乗る。ナイロビなどの治安の悪い都心部では、早朝・夕方以降にダウンダウンに近づいてはいけない。写真提供/歩りえこ

さらに、エジプトのダハブで知り合った日本人青年は、紅海でのダイビング中に突然急浮上してしまい、肺が破裂して死亡した。私はそれまで世界の美しいダイビングスポットでダイビングを楽しんでいたが、それ以来一度もダイビングはしていない。20代の前途洋々な青年がこんなにもあっけなく亡くなるなんて……本当にショックだった。

観光客とダイバーたちで賑わうエジプトで一番有名なビーチリゾートのダハブ。写真提供/歩りえこ

自分の眼で美しい海の世界を見ることは確かに素晴らしい。かけがえのない貴重な経験だ。でもその美しさを見ることは、YouTubeで映像を見たり、水族館に行ったり……別の形で楽しむ方法もあるではないかと考えるようになった。

紅海は日本では見られない魚も多く、美しい海を堪能できる。ダハブを最後に私はダイビングをやめてしまった。写真提供/歩りえこ

美しい景色や未知の出会いを求めて旅や冒険をすることには当然リスクがある。リスクなしでは大きな感動を得ることは難しいし、失う代償も当然ある。そして、どんなハプニングが起きようとも全ては自己責任だ

人の命はとても儚い。大切な命はある日突然あっという間に奪われてしまう可能性があるとても儚いものだ。

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私も2児の母となり、リスクの多い地域に行くのが本当に怖くなってしまい、出産後は、離婚するまで結婚生活を送っていた台湾、仕事で訪れたフランスくらいしか行っていない。

子どもができるまでは、失うものはないからどこにでも行けると思い込んでいた。でも、違った。私を大人になるまで大切に育ててくれた両親より絶対先に死んではいけない。自分を大切に思ってくれている人を悲しませてはいけない。それは自分が親になってみて初めて思い知った。

行ったことのない未知の場所に行きたいと思う気持ち、好奇心や冒険心は生きる上でとても大事だと思う。リスクを心配してばかりで、行きたいと思う場所に行かないことや、やりたいことに挑戦しない人生は、それはそれできっと虚しいし、年老いてから後悔するかもしれない。

でも、大切な人を悲しませないためにも、海外に行く際には予測・準備・予防を絶対にして欲しい。緊急事態宣言がようやく解除され、お出かけや旅行を検討する人はぜひ十分な対策を。