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結婚3年目の専業主婦が、「オーガニックなカルト集団」にハマった理由

「笑顔」を取り戻したかっただけなのに

大学卒業後、保育園の先生になったマテ子さん。小学校教諭の夫との結婚後すぐに妊娠し、退職して長女を出産した。しかしその約1年後、とある出来事がきっかけとなって自分を責めるようになってしまう。そんな中、彼女はオーガニック志向のカフェを見つけて通い詰めるようになるが、次第に経営母体であるカルト集団にのめり込んでいくのだった…。

弁護士・南和行氏が、自身の経験を元に創作した架空の離婚エピソードを題材に、法的アドバイスをわかりやすく紹介した著作『夫婦をやめたい』から、マテ子さんのケースを一部編集のうえで紹介しよう。

笑顔がトレードマークだった

マテ子は子供の頃から周囲の大人に「朗らかな子」と言われていた。子供の頃、はきはき喋ると褒められた。リーダーになるのは苦手だったが、みんなと何かをするときに、「頑張ろう」と言葉にするとやる気になれた。

大学は幼児教育の学部に進学し、保育士と幼稚園教諭の資格を取った。志望動機を聞かれれば、「子供が好きだからです」と答えた。それは本当だ。大学を出てすぐに保育士として働き始めた。

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保育士は給料も安く待遇も悪かったが、マテ子は子供たちを前に笑顔になれば、自分の気持ちが晴れるのを実感できた。子供たちから「マテ子しぇんしぇー」と抱きつかれて、保育所に送ってきたお母さん、お父さんに、子供と一緒に「いってらっしゃーい」と言えば、それだけですがすがしい、きれいな空気を吸っているような気持ちになれる。 

マテ子は嫌なときも「笑顔になれば」で乗り切った。

大学の同級生の結婚式の披露宴で、同じテープルに座った新郎の同僚が夫だった。夫は小学校教諭をしていた。その日に連絡先を交換し、何度か食事をし、ストレートに交際を申し込まれた。夫もマテ子も、駆け引きする恋愛が苦手だった。短い交際期間だったが、お互いの「好き」を確認し、生活感覚も合っていそうだったから、「それじゃあ結婚しよう」となった。

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