不動産リスクに続き「電力リスク」露呈…中国経済の雲行きがいよいよ怪しくなってきた

いったい何が起こっているのか

深刻な「電力不足」

中国は、10月1日の建国72周年の国慶節(建国記念日)から7連休に入っている。

この連休は、14億中国人にとって、冬の春節(旧正月)と並ぶ「快楽暇期」で、全国の観光名所やレジャー施設は大賑わいを見せる。特に今年は、共産党政権が「紅色旅遊」(共産党の革命拠点などの観光旅行)を奨励していて、CCTV(中国中央広播電視総台)のニュースは連日、「紅色旅遊に出かけて幸福な人民たちの様子」を伝えている。

ところが実際には、「異変」が起こっている。それは、新型コロナウイルスのせいではない。「電力不足」のせいである。

Gettyimages

例えば、首都・北京では、連休2日目の10月2日、首都精神文明建設委員会弁公室、北京市都市管理委員会、北京市エネルギー節約環境保護センターが連名で、「全市エネルギー節約・電力節約に関する提議書」を公布した。それは6項目からなる要請で、全文は以下の通りだ。

各機関、企事業所、広大な市民へ

グリーンで炭素を減らした生活方式と電力利用習慣を提唱するため、全市でエネルギー節約・電力節約に関する時宜提議を。以下のように行う

一.全市の各クラスの党・政府機関、企事業所と社会組織は率先して範を垂れ、グリーンなエネルギー節約オフィスを進んで実践すること。各組織は自然光照明を十分に利用し、できる限り照明強度を落とし、照明時間を減らすこと。オフィス設備の電力節約管理を強化し、適宜オフィス設備とオフィス区域の電源を閉め、機関のオフィスでは階段使用を提唱し、エレベータの使用を減らすこと

二.全市が一時ネオンサインを止め、夜間の景観照明の時間を減らすこと

三.大型公共建築は公共建築の空調温度のコントロール基準を厳格に執行すること。室内空調温度は、夏季は26度を下回らないよう設定し、冬季は20度を上回らないようにする。空調の電力消耗を抑え、空調の効率レベルを上げていく

四.ショッピング施設、ホテル、レストラン、娯楽施設などのサービス業は、大規模な電力設備と不必要な照明器具の使用を停止するか減少させる。そして電器のエネルギー節約と環境保護を積極的にアピールすること

五.工業用電力の使用者は、エネルギー節約技術、設備、電力節約、ピーク時を避けた電力使用を積極的に推進しなければならない

六.多くの市民はエネルギー節約意識を高め、エネルギー節約の灯具を使用し、エネルギー節約の家庭用電器を選び、細かくエネルギー節約を自覚する習慣を養うようにしてほしい
 

以上である。万事大らかな気質の中国大陸の人たちが、まるで1970年代前半に日本を直撃したオイルショックの時のような事態に直面しているのである。

中国国内では、急に夜の街が真っ暗になったり、信号機が消えたりしたため、自虐的に「われらが巨大な北朝鮮」と呼んでいる人さえいる。

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