地面師事件の舞台となった土地(2019年筆者撮影)

積水ハウス「敗軍の将」たちが続々告白…「私たちは、こうして地面師に騙された」

裁判資料から浮かび上がる「真相」

不祥事はいかにして起こるのか。その時、現場の担当者は何を考え、経営者はどう振る舞うものなのか。そんな日本の大組織の生態を赤裸々に映し出した「積水ハウスの地面師事件裁判」が、大阪地裁で大詰めを迎えようとしている。事件を題材とした『保身 積水ハウス、クーデターの深層』の著者が、裁判の模様を詳報する。

地面師事件の舞台となった東京・西五反田の「海喜館」。現在は高層マンションが建設中 (2019年筆者撮影)
 

大阪地裁で10月21日~22日の日程で、注目の証人尋問が行われる。

原告は、大阪に本社を構える積水ハウスの株主。被告の一人はその元社長であり、この4月まで代表取締役会長として積水ハウスに君臨した阿部俊則氏である。原告の株主は、2017年6月に発生した同社の地面師詐欺事件における善管注意義務違反を問うて、阿部氏らに損失の賠償を求めている。

出廷するのは阿部氏をはじめ、地面師との取引をめぐる関係者たちだ。4年前に世間をにぎわせた地面師事件は、いよいよ積水ハウスの当事者からその真相が語られることとなる。

これに先駆け、筆者は阿部氏をはじめ関係者5人がこの5月24日から8月26日にかけて大阪地裁第4民事部に提出した「陳述書」を入手した。その中身からは、当事者たちがその責任から全力で逃げ切ろうとする保身の体系が透けて見えてくる。

まずは地面師事件から振り返ろう。

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