提供:伊藤忠商事

総合商社の伊藤忠商事が取り組むSDGs。そのひとつが、フランス産ワインの製造後に発生するぶどうの搾かすから作られる「グレープシードオイル」の普及です。そのサステナブルな生産背景について、伊藤忠商事 食料カンパニー 油脂課の担当者に話を伺いました。

Q.グレープシードオイルってなに?

A.ぶどう種子を原料にした料理用オイルです。

「ぶどう種子を原料に製造され、サラダ油の代用としても、ドレッシングなどにも使える料理用オイルです。体にとって重要な役割を持ちながら、私たちが体内で合成することができない必須脂肪酸であるリノール酸やビタミンEを豊富に含み、コレステロール0と体に優しくヘルシーなオイルです。

薄い緑色のさらりとした質感で、油ぎれがいいので重たくなりません。風味にクセがなく、オイル臭がないため素材の味を邪魔しないのが特徴で、どんな料理とも相性が良いんです。他には、化粧品やマッサージオイルとしても使われることもあります」

©Riki Kashiwabara

Q.どういう点がサステナブルなの?

A.本来ならば廃棄されるワイン製造後のぶどうの搾りかすから作っています。

「グレープシードオイルは、かつては使用されずに廃棄されていた、ワインを製造する際に出る、ぶどうの搾りかす(残渣)から種を取り出して油を製造しています。もともと、ぶどうの種は油の原料として認知されていましたが、それなりの量を集める必要があったため、商業的にぶどうの種で油が製造されるようになったのは、20世紀に入ってからといわれています。

キャノーラ油や大豆油などに代表されるサラダ油は、油、および粕を製造するために原料作物が作られますが、グレープシードオイルは、ワインのために作ったぶどうが原料。搾りかすには皮や茎、種が混ざっているため、乾燥させて種を取り出します。さらに残った皮や茎の部分も廃棄することはなく、再生可能なエネルギー源であるバイオマス燃料としても使用されています。搾りかすも貴重な資源と捉えて再利用するグレープシードオイルは、環境に優しい循環型商品の代表格といえるでしょう」

Q.製造を行っているのはどんな会社?

A.欧州におけるオーガニックな植物油の製造拠点であるPH社。

「ワインの一大生産地として有名なフランスで、1998年に設立されたProvence Huiles S.A.S.(PH社)は、グレープシードオイルや、高オレイン酸ひまわりオイルなど、主に機能性の高い植物油を製造しています。伊藤忠商事は2015年にPH社に資本参加して子会社化し、日本や欧米など世界での普及に取り組んでいます。昨今、食品メーカーが続々とサステナブルな方針を打ち出しており、世界的な健康志向の高まりを背景に、需要を伸ばしています。

PH社はグレープシードオイルの世界最大規模の生産量を誇ります。フランス、アルゼンチンのほぼすべてのワイナリーと契約する蒸溜所とパートナーシップを築いているため、種子から精製、そして日本でのボトル詰めまでの一貫製造が可能です。また、『お客さまが求めているものは何か?』を常に考え、要望に応じて、オーガニックオイルをはじめサステナブルな製品にもいち早く注力するなど、付加価値の高い植物油の安定供給と、SDGsの達成に貢献しています」

Q.「つくる側」の立場として感じている「食の課題」とは?

A.食品廃棄物を減らし、付加価値をつけること。

「食用油を子会社のPH社で製造し、流通を手がけている私たち伊藤忠商事が、現場で感じる“食の課題”を挙げるとすれば、日本では、やはり食品廃棄が大きな課題ではないでしょうか。人口が増えていくなかで、同じようなものを大量生産してきたこれまでと違って、今は廃棄されるロス食材を減らすなど、あらためて生産環境を見つめ直す必要があると感じています。

また、日本の技術力では品質や安全性は維持できますが、需要が頭打ちとなるなか、食品の付加価値について考えなくてはなりません。“おいしさ”だけでなく、社会的な意義を含めて付加価値をつけることが、循環型ビジネスにつながっていくと思います」

Q.生活者が担う「つかう責任」とは?

A.「良いものを安く」がテーマになっていませんか?

「日本では、『安心・安全』、『機能性』を重視する傾向があるようです。一方で、ヨーロッパではさらに『環境に貢献していること』も大事にしていることがわかっています。価格が高くてもオーガニック製品を買うのは、『食を通じて環境対策をしたい』という思いが生活者にも根付いているから。日本でも食への意識が欧米に追いつきつつありますが、私たちはそういった食のインフラ化に貢献していきたいと考えています」


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伊藤忠商事


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Text:Chihiro Kurimoto Edit:Nana Omori