「元夫は自分にも他人にも厳しい人でした。私は結婚するまでずっと実家暮らしだったので、あまり家事が得意ではなくて、要領がよくないのをいつも責められていました。メンタルの病気を抱えているため体調に波があることも、元夫には不満だったみたいです。結婚生活はしんどかった…」と語る、安達容子さん(仮名・39歳)。

子どもが1歳半のときに実家に戻り、その後、離婚が成立。いまは実両親と小学1年生の子どもと暮らしている。
ライターの上條まゆみさんが子どものいる方々の離婚を取材している連載「子どものいる離婚」、今回は双極性障害を抱えながら、夫の「ダメ出し」に苦しんだ容子さんに話を伺った。その前編では、容子さんがダメ出しばかりする男性でも「自分を成長させてくれるはず」と結婚したことをお伝えした。後編では結婚後を詳しくお伝えしていく。

-AD-

「それなら病気じゃない人とやり直すよ」

もちろん、向上心をもてる関係性はすてきだ。でも、矯正を求められるだけではつらい。自分のよいところが認められ、のびのびと自分らしくいられる相手が、生活をともにする相手として望ましいような気がする。つまるところ、容子さんと元夫は相性が悪かったのだろう。

厳しい夫との新婚生活は、あまり楽しいものではなかった。結婚後も共働きを続けていたが、帰宅時間がより早い容子さんが家事の大半を担わざるを得ない。1人暮らしが長く、料理もうまかった元夫は、慣れない家事を懸命にこなす容子さんにいちいちダメ出しをした。
「努力していたつもりなんですけどね……」

Photo by iStock

いちばんつらかったのは、病気への理解がなかったことだ。
「結婚して3〜4ヵ月くらいのとき、通院から帰ってきた私は体調が悪くて寝込んでしまっていたんです。主治医の先生が元夫に『奥さんは病気なので、優しくしてあげて』というメッセージをくれたんですが、それを伝えたら、すごい怒って、『それなら病気じゃない人とやり直すよ』と。心ない言葉に傷つきました」