虐待で大怪我。人間不信を克服した猫

【モモちゃん】

モモちゃんのビフォーの写真は痛々しい。虐待犯に頭を割られ、保護されたのだ。元々は地域の人からご飯を貰いながら外で生活し、人間が大好きな子だった。しかしその住処は過去にも猫が毒を盛られたり、動物虐待防止ポスターが剥がされるなど、決して安全な場所とはいえなかった。モモちゃんのような人に慣れている猫を捕まえるのは容易だったようだ。

大怪我を負ったモモちゃんは、地元ボランティアに保護され、「一番ひどい状態の子を引き受けるよ」と手を挙げた保護団体の元へ。大怪我にもかかわらず奇跡的に命は助かり、片目が引きつる後遺症はあるものの、視力、脳ともに問題なし、という状態で現在の飼い主さんに引き取られた。2020年5月のことだ。

動物虐待で頭を割られた状態で保護されたモモちゃん。傷口があまりに痛々しい。写真提供/公益財団法人動物環境・福祉協会Eva

当初は人への不信感が根深く残っていて、近づくと逃げられ、人の手に爪の跡が残るほどパンチをされるのも当たり前だったという。しかし、そんなモモちゃんも1年数ヶ月が経った今では人と一緒にお布団で寝るのが大好きな立派な家猫に。まだ少し人の手を怖がることもあるが、恐怖は少しずつ薄まっているそうだ。

穏やかに眠るモモちゃん。頭の傷もわからないほどに治ってきたという。写真提供/公益財団法人動物環境・福祉協会Eva

「アフターのモモちゃん、穏やかに眠れていますね。頭の傷もわからないほどになって。外にいる、特に人になれている猫は、ものすごくリスクの高い環境で、危険にさらされながら生活しているわけで、なんとかならないものかと思いますが、助かってよかったし、徐々に心を開いて、安心して眠れるようになって、本当によかった」(杉本さん)

「想像を絶する恐怖を乗り越え、前進するモモちゃん。その姿に、命はなんて力強いのだろうと感じずにはいられません。モモちゃんと出会えたこと、寄り添えることに感謝して、幸せでいっぱいに満たしてあげたいと思っています」と飼い主さんはいう。