言葉尻で揚げ足を取って、女性蔑視だとか騒がないほうがいいわね。女の政治家で優秀な人が現れると、過去にこんな悪いことがあったとかって暴いたりするのも止めたほうがいいね。簡単にあの人はけしからんから、けじめをつけろといじめるのは、みっともない。間違いは誰にでもあります。自分もいつそういうふうになるのかわからないのよ、人間は。自分が愛しちゃいけない男を、いつ愛さざるを得ないような立場にならないとも限らない。その時にどうするかってことを考えたらいい。

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もう100年生きてきましたからね、振り返ってみて、人間に一番大切なことは、自由だと思います。自分が好きでもないのに親に結婚しろと言われて、あまり心が進まないまま結婚するなんて、そんなことはもう、昔のことですよ。私はいつの時代にも批判を恐れず、自分の好きなように貫いて生きてきたこと、それが本当によかったと思います。だからみんなも、自分のしたいことを貫いたらいい。傷つくかもしれないけれど、自分が選んだんだから、仕方ないわね。つらかったこともいっぱいあったけど、そんなことは忘れてしまうのよね。

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世の中はつらいことばかりです。いいことや楽しいことばかりが続いているなんて考えているのは、のん気すぎます。困難と戦って強くなっていくのが人間なんです。一生懸命生きていたら、世界は平和でなければならないし、いろんな差別があってはならないということは、誰に教えられなくても自然にわかってきますよ。

自由に生きるためには、相手のことを考えるゆとりなんかないわね。自分のしたいことができれば上等ですよ。それがなかなかできないんだから。自分のしたいことをして、ゆとりができたら他人のことを思いやればいいのね。

お元気でいてくださいね。そして幸せにね。

瀬戸内寂聴 
せとうち・じゃくちょう/1922年徳島県生まれ、99歳。小説家、尼僧。京都・嵯峨野の曼陀羅山寂庵、庵主。東京女子大学卒業、文学士。在学中の43年に見合い結婚し翌年に出産、50年に離婚して上京。56年に発表したデビュー作「女子大生・曲愛玲」以降、受賞を重ねる。57年に『花芯』、62年に『夏の終り』を発表。73年、岩手県の中尊寺で得度、尼僧となり瀬戸内寂聴に。98年に『源氏物語』全10巻の現代語訳を完訳。2016年、『花芯』が映画化。近著に『愛に始まり、愛に終わる 瀬戸内寂聴108の言葉』(宝島社)がある。


●情報は、FRaU2021年8月号発売時点のものです。
Illustration:Amigos Koike Text & Edit:Asuka Ochi

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