10月は農林水産省・消費者庁・環境省による共同施策「食品ロス削減月間」。ほんの少し曲がっていたり、傷ついていたり、色が薄かったり……市場が定める規定から外れてしまった野菜、コロナ禍による飲食店の休業要請で出荷先を失ってしまった余剰食材など、さまざまな理由から廃棄される食材を救出。再び愛を注いでおいしく生まれ変わった規格外野菜や余剰食材が食べられる、素敵なグルメ情報をご紹介。フードロス削減に貢献できる画期的なシェアサービスもぜひ活用を!

フードロスとは・・・
まだ食べられるのに廃棄される食料のこと。世界で生産される食料の1/3が廃棄されいると言われている。日本では、年間6百万トン以上ものロス食材が生まれている。その内訳は、事業系が約54%、家庭系が約46%。事業系では外食産業での食べ残しが約4割、家庭系では食べ残しに加え、食卓に並ぶことさえなく捨てられてしまう食品も多い。

1【神奈川・茅ヶ崎】ロス野菜がボリューム満点ベジ弁当に!「もったいない食堂

茅ヶ崎近郊の有機農家から仕入れた余剰野菜で作ったランチボックスを提供する「もったいない食堂」は、週末に不定期で営業するキッチンカー。その季節でしか採れない旬の有機野菜をつかったいろどり豊かなおかずをぎゅっとつめこんだお弁当を1000円で食べられる。

持参した容器に入れてもらったお弁当。メニューはその日に仕入れた野菜に合わせて変わるおかずが6品。下には雑穀米がぎっしり! 10月よりごはんは酵素玄米を使用 撮影/大森奈奈

画像の献立は、きゅうりと赤玉ねぎの和風マリネ、じゃがいもとビーツとくるみのポテサラ、人参ともやしの塩昆布ナムル、なすの煮浸し、ズッキーニと玉ねぎのトマト煮、サニーレタスとリーフレタスのサラダのおかず6品に雑穀米というボリューム満点の内容。どのおかずも、丁寧に手間ひまかけて調理されたことが伝わってくるおいしさで、肉魚がなくとも十二分に満足できる仕上がりになっている。

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開催場所は、辻堂駅からバスで約20分のところにあるアップサイクルジャパン茅ヶ崎本店。敷地内にある自家菜園スペースでは、放し飼いをするにわとりのふんを堆肥にし、小さな循環型農業を試みている最中だという 撮影/大森奈奈

「私たち生活者すべての食生活を支えるには、化学肥料や農薬を使い大量生産を行う慣行農業の存在は否定できません。一方で、化学肥料や農薬を使わない有機栽培は、大量生産ができないけれど、土壌の改良にとても有益です。せっかくなら地球環境の改善にもつながる有機農業を応援していきたいですよね」と語るのは、食堂を運営するアップサイクルジャパン代表の西村正行さん。

お弁当に使う野菜は、ほぼ有機栽培のもので賄っている。有機野菜は、スーパーや市場に出回るものは少なく、ほとんどが地元の直売所などで売られており、大量生産する慣行農業に比べロスの量は圧倒的に少ない。とはいえ、雨風により客足の少なかった日には、どうしても余らせてしまい廃棄せざるを得ない状況にあるという。そんな契約農家から「今週は余りそうだよ」と、週半ばに連絡をもらったら、その週末に営業するスタイルだ。また、せっかく余剰野菜で作ったお弁当を余らせては本末転倒。30食に限定、マイ容器、マイボトル持参で70円オフにするなど、できるだけ無駄を生まない仕組みになっている。

ミニにんじんセットや赤玉ねぎなど、契約農家の採れたて有機野菜を購入することもできる 撮影/大森奈奈

日本では、毎日約600万トンのまだ食べられる食品が廃棄されているが、そこに畑の余剰野菜はカウントされていない。「この活動そのものがフードロス量の数字を減らすことにはなっていないけれど、食べられる食材がたくさん捨てられているという現状を知るきっかけになったらうれしい」と語る西村さんには、大きなミッションがある。モノを買うとき、メーカー、価格、成分などの数ある選択肢の中に『アップサイクル』というジャンルを日常に組み込むことだ。そうなれば廃材でモノづくりをする人たちの収益につながり、彼らのスモールビジネスを持続可能なものにできる。その一環として、今後は「もったいない食堂」を日本全国に広めるべく、他府県の飲食店とのコラボを計画している。

DATA
もったいない食堂
神奈川県茅ヶ崎市堤582-10
0467-39-6317
不定期開催のため、営業情報などはインスタグラムをチェック