2021.10.21
# 細胞 # 生理学

頭の働きをよくする呼吸法は存在するのか?

呼吸を科学するーシリーズ第1回
石田 浩司 プロフィール

高酸素吸入で記憶力がアップする!?

では、逆に高酸素吸入を行うと、認知や学習の成績がよくなるでしょうか?

実は、100%の純酸素を短時間吸った直後は、記憶力がよくなったり、吸っている最中に、記憶力、推理/計算力や情報処理速度、空間認知など(注意機能や精神コントロールを除く)、さまざまな認知機能が向上することが知られています。

さらに、被験者に2気圧に加圧した状態で100%の酸素を吸わせ、より多く酸素を供給すると、注意機能やエピソード記憶(昨日の夕食の献立など、個人の経験した出来事の記憶)も向上するそうです。また高圧では、30%の高酸素でも、記憶力が向上するようです。

【写真】高酸素吸入で記憶力はどうなる?photo by gettyimages 拡大画像表示

このように、高酸素吸入によって記憶力はよくなるといえそうです。ただし、高酸素は酸素中毒を起こしたり、活性酸素を増やして、体に害を与えることもあります。しかも、勉強中にずっと高酸素ガスを吸うのはお金がかかりますし、爆発・火災の危険性もあるので、あまりおすすめできません。酸素ボンベを背負って試験を受けることは不可能でしょう。

やはり酸素ドーピングは諦めて、地道に勉強してください。ただし、換気だけは気をつけましょう。

呼吸の科学 いのちを支える驚きのメカニズム

生命活動の根源ともいえる「呼吸」。一生の間に6〜7億回「呼吸」をするといわれています。驚異のメカニズム「呼吸」の研究の第一人者として知られる著者が徹底解説します。

くわしくは https://gendai.ismedia.jp/list/books/bluebacks/9784065258583 で

amazonはこちら

関連記事