2021.10.21
# 細胞 # 生理学

頭の働きをよくする呼吸法は存在するのか?

呼吸を科学するーシリーズ第1回
石田 浩司 プロフィール

地球温暖化に二酸化炭素の濃度が関係することは皆さんご存じと思いますが、気象庁のホームページにある温室効果ガス年報(2020年)によると、地球全体の二酸化炭素濃度は、1990年に355ppmだったものが、2019年には410ppmに直線的に増えています。日本でも、二酸化炭素の屋外での基準の濃度は400ppm(=0.04%)となっています。この値は、生理学の研究において酸素摂取量の計算に使います。私が大学生だったころは0.03%を使っていました。地球規模での二酸化炭素濃度の上昇は、このように数値にはっきりと表れているのです。

換気の悪い場所の二酸化炭素濃度は?

日本の法律上(通称:ビル管理法)では、1000ppm以上になると、換気の悪い密閉空間とされます。

例えば、4人乗りの自動車内でエアコンを内気循環にすると、15分で二酸化炭素濃度は3500ppmを超えます(外気導入では1000ppmを維持)。また、飛行機の中は、1000ppm以上になっており、ときには2000ppmを超える場合もあります。満員電車では3000ppmを超えることもあるのです。

【写真】換気が大切photo by gettyimages 拡大画像表示

学校では、「換気の基準として二酸化炭素は1500ppm以下であることが望ましい」と学校環境衛生基準に書かれていますが、冬季の窓を閉め室内を密閉した状況では2000ppm以上となり、3000ppmを超える場合もあるようです。普通のオフィスや店舗では、換気が適度にされていれば、ほとんど1000ppmを超えないようです。新型コロナ禍のなか、換気の状態を知るために、二酸化炭素の濃度が測れるCO2センサーが使われるようになり、飲食店ではこのセンサーを置いているところもあるようです。

このように二酸化炭素濃度が高くなると認知機能が低下するだけでなく、2000〜2500ppm以上になると、倦怠感や頭痛、耳鳴りなどの症状も出てきます。そのため、会議や試験の時は、能率・成績アップのために、こまめに換気し、二酸化炭素を減らしましょう。

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