ALS(筋萎縮性側索硬化症)を検索すると「感覚があるままに体が動かなくなる病気」という説明が多くあります。もう少し詳しい書き方を探すと「筋肉が動かなくなってしまう」という説明がなされています。そして「現在、効果の認定されている治療法がない」と言われている事で知られています。前回は最近思っている事と24時間重度訪問介護を作っていっている過程などについてお話しし、たくさんの方に読んでいただきました。今回はALSに罹患して2年が経過した現状と引き続きの24時間体制作りを話していきたいと思います。

2019年9月にALSの告知を受けた声優の津久井教生さん。ちょうど丸2年経つ今は、この2年をふりかえり、どのように進行していったのか、そしてこの2年で痛感たことは何かを伝えてもらいます。「虫に刺されたらかゆいの?」「触ると感じるの?」ということも語ってくれました。
2020年の「ニャンちゅう」チームの皆さん。左から比嘉久美子さん、津久井さん、鎮西寿々歌さん 写真提供/津久井教生
津久井教生さん連載「ALSと生きる」今までの連載はこちら
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「重度訪問介護」の記事の反響

重度訪問介護で24時間体制を作るお話はとても反響があったのと同時に、やはり「難しさ」や「分かりにくさ」があったようでした。介護に興味を持っている方からも「2つの法律(重度障害支援法・介護保険法)」があることの意味を初めて知ったというお話をされました。重度訪問介護で24時間体制を作る時には、基本的に介護保険との併用をせずに重度介護保険だけを使っていく事が目標になることも、知っている方とそうでない方がハッキリした感じです。いずれにしてもサービス料金なども含めて大切な事です。

介護のふたつの法律についてまとめた前回の連載記事

現在進行形の重度介護での24時間体制作りですが、まだまだ途上ですので分からないことが多いのが現状です。もちろんお任せをしているMケアマネジャーさんを始めとした皆さんはエキスパートです。私がもう少し追いつきたいという感じです。プロフェッショナルになるというよりは、「ALS罹患者」として正しく発信できればと思います。周囲のALSに罹患している先輩たちの話を聞きながら、自分に生かしていけるようにしていきたいです。

ALSのみならず、障害者の方の個人差は大きいものです。それゆえに80項目に及ぶ審査が行われていて、障害支援区分が決まっていくのだと思います。しっかりと体験してお伝えするようにしていく事が一番勉強になると思っているのです。

ALSに罹患して2年目。虫に刺されたら?

2019年10月1日にSNSを通じて、自分がALSに罹患したことを公表しました。その時の私には要介護などの認定はありませんでした。確かにすでに杖なしでは歩けなくなっていましたので、すぐに貰う事の出来た要介護1程度の状態だったと言えます。しかしながらこの頃は短い距離であれば、車椅子と半々で移動もできていましたし、手と腕に関しては上がりにくい感じはしたもののしっかりと動いていました。

それが2年経過して、現在私は「要介護4」「障害者手帳1級」「障害支援区分6・789時間支給」という判定を審査でいただいています。

これらの認定は、ALSに罹患したらすぐにもらえるものではありません。事故などで頸椎損傷などの大けがをすると「その瞬間から該当」するのですが、ALSという難病は、時間をかけてその状態になっていくのです。ただし、私の現在の状態を上記の介護判定で見ますと、詳しい方は「津久井さん、ちょっと進行が早いかな」とお思いになる方がいると思います。

そうなのです、冒頭でもお伝えしている通り、ALSとは「3年から5年で身体が動かなくなる」といわれており、それに対して私の病気の進行度合いでいくと早く進行している状況です。奇跡的に声は出ていますが、進行の早さには「もうちょっとゆっくりと進んでくれ~」と思っています。もちろんALSの進行が止まってくれるのが1番なんですけど。やはり指定難病のALSは手強いですね。

罹患してから2年、現在の私の足はほとんど動かなくなりました。指先が少し動かせるだけです。PTさんとのリハビリテーションにおいて、曲げ伸ばしの運動で体幹を使って少し足が伸ばせる感じが伝わっているようですが、曲げることに関してはPTさんのやってくれる誘導動作は分かるのですが、他はほとんど感じなくなりました。

「触られる感覚」は衰えずにあります。痛みやかゆみに関しても同じようにしっかりと感じます。ゆえに虫刺されのような発疹が出来た時には、自分ではかけないのでのたうち回りましたし、かゆみ止めのムヒのお世話になりました。ムヒには本当に助けてもらいました。

かゆみに手が届かないことはかなりのストレス…Photo by iStock