2021.10.02

パートナーの色には染まらない…ムーミンの生みの親に学ぶ「自分らしい生き方」

トーベ・ヤンソンの半生が映画化
松本 英恵 プロフィール

フレスコ画を描くシーン

若き日のトーベは、画家として成功したいという強い願望があり、ムーミンの仕事は生活のためと考えていました。そのため、ムーミンの仕事に謀殺されるようになると、ムーミンを憎むことさえあったそうです。そうした葛藤の背景には、彫刻家として高く評価された父ヴィクトルとの間に確執があったといわれます。トーベのアトリエは、父ヴィクトルから精神的に自立するひとつのきっかけになったようにも思えます。

トーベは芸術に人生を捧げると決心し、絵画、小説、脚本、詩、作詞などさまざまな領域で作品を残しました。本作では、トーベがフレスコ画のような大きな絵画を制作する様子も描かれています。

(C) 2020 Helsinki‐filmi, all rights reserved
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「60年代の改装工事の前のアトリエには、マリオンやトランザムなど縦の仕切りがある大きなアーチ型の窓がついていました。60年代の改装工事の際に、仕切りのない大きなガラス窓に交換されています。トーベは窓の仕切りによってできる影を邪魔だと感じていたのではないでしょうか。また、天井は7メートルの高さがあり、ロフトを新たに設置しています。

トーベは、絵画制作についても、非常に幅広いテクニックを持っています。たとえば、フレスコ画を描くシーンでは、彼女が絵画を作り上げていくプロセスを再現しました。ヘルシンキ美術館は具体的な画法について教えてくれましたが、それだけではなく、どのようにしてスケッチされたのかもっと深く知りたいと思いました。

私は彼女の演劇も大好きで、白黒写真やスケッチも参考にしました。トーベはとてもクリエイティブな人なので、セットを2つ用意し、トーベ風に色を加えて再現しました」

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