2021.10.02

パートナーの色には染まらない…ムーミンの生みの親に学ぶ「自分らしい生き方」

トーベ・ヤンソンの半生が映画化
松本 英恵 プロフィール

芸術家トーベ・ヤンソンの暮らし

2019年に埼玉県飯能市に『ムーミンバレーパーク』が開業するなど、日本でも高い人気を誇るムーミンですが、北欧ブームの影響もあり、作者のトーベ・ヤンソンについてもその才能や暮らしが注目されるようになってきました。30代から40代のトーベ・ヤンソンを描いた映画『TOVE/トーベ 』は、彼女が一人暮らしを始め、生涯を過ごしたアトリエ兼住居が再現されています。

プロダクション・デザイナーのカタリーナ・ニークヴィスト・エールンルート氏にとって、本作の美術監督は特別な経験だったようです。

「私は子供の頃、ヘルシンキでトーベ・ヤンソンの本や漫画に囲まれて育ちました。そして、これまでプロとしてのキャリアをスウェーデンで培ってきたので、これをきっかけにフィンランドに帰国して、母国で初めて仕事をするためのユニークな機会となりました。どんなプロダクション・デザイナーにとっても、映画『TOVE/トーベ』は夢のプロジェクトだと思います」

(C) 2020 Helsinki‐filmi, all rights reserved
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第二次世界大戦中の1944年、トーベは爆撃された建物の最上階を借りて、スタジオ兼住居としました。1954年、イギリスの夕刊紙『イヴニング・ニューズ』と連載の契約を結び資金を得ると、このスタジオを購入し、2001年に亡くなるまで、リノベーションを繰り返しながら暮らしました。トーベのスタジオは、現在も保存されていますが、エールンルート氏は写真やスケッチを手がかりに、昔の状態を再現したそうです。

 

「1960年代にトーベがスタジオを完全に改装したという事実に恵まれました。彼女のすぐ下の弟ペル・ウーロフ・ヤンソンは写真家で、彼が撮影した写真がスタジオに残されていました。しかし、写真だけではスタジオ全体を確認することはできませんでした。

他には、彼女の友人であるエヴァ・コニコフに宛てた手紙に描かれていたスケッチがとても参考になりました。私はこれらの写真やスケッチをよく観察して、それぞれがどのように繋がっているか考えました。

それから、フリーマーケットでニョロニョロに似たオイルランプを見つけたんです。とても刺激的で思い出深い瞬間でしたね。そこで私は、彼女の絵や漫画、キャラクターを彷彿とさせるものは、すべて彼女の家に置かれていた可能性が高いと考えるようになりました」

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