2021.10.03
# エンタメ

「動画で漫画を売る時代」が来た…「サンデー×TikTok」コラボから見えた可能性と課題

「週刊少年サンデー」(小学館)が2021年に入ってTikTokと2度のコラボを実施した。第1弾は『よふかしのうた』『古見さんは、コミュ症です。』『葬送のフリーレン』のハッシュタグチャレンジ(5月19日~7月14日)、第2弾は高橋留美子とあだち充のキャラクターを使ったスペシャルエフェクトが登場するというものだった(7月28日~9月8日)。

2020年からTikTokの紹介動画発で売れた本が目立つようになってきたが、出版社発のキャンペーンの効果はいかほどだったのか。そこから見えてきたマンガとTikTokコラボの可能性と課題について、この企画を主導した小学館マーケティング局コミックSP室宣伝グループ戸板麻子氏に訊いた。

(C)コトヤマ/小学館 (C)オダトモヒト/小学館 (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館

獲得したい層に違いがあった

――「週刊少年サンデー」がTikTokとコラボした経緯は?

戸板 もともとはサンデーで連載中のコトヤマ先生の『よふかしのうた』で何かやりたい、ということから始まっています。コトヤマ先生はTwitterのフォロワー数が34万人(2021年9月現在)と多く、コミックス1巻発売時に公開したPVを先生のアカウントで紹介したところ再生数がすごく伸びた、といった実績がありました(現在80万回再生超)。

次はTwitter以外にも打って出たいと考えていたときに、『よふかし』読者は10代後半から20代が中心で、作風的にもTikTokと相性が良いのでは、と。そこでTikTokさんとお話していくなかで「『よふかしのうた』単体ではなく、少年サンデーとして何かやりませんか?」とご提案いただき、第1弾として『よふかしのうた』『古見さんは、コミュ症です。』『葬送のフリーレン』のハッシュタグキャンペーンを実施しました。

――第2弾のほうはあだち充・高橋留美子両先生のコラボですよね。両先生のファン層はTikTokのコアユーザーより上なのでは?

戸板 第1弾と第2弾では実施期間もターゲットも分けています。TikTokさんには30代以上のユーザーを増やしたいという狙いがあり、高橋先生、あだち先生をきっかけにTikTokに流入を図りたい、と。ですから、どちらかといえば第1弾が小学館としてやりたかったこと、第2弾がTikTokさんがやりたかったことになります。

どちらのキャンペーンでもTikTok内のバナー掲出や特設サイト開設を先方にやっていただき、弊社としてはマンガアプリの「サンデーうぇぶり」や少年サンデー本誌にPRを掲載することで相互の送客を図りました。

 

――小学館としては「少年サンデー」を認知してもらうという狙いと個別の作品の認知、思惑としてはどちらですか?

戸板 そこはどちらもですね。「TikTok×少年サンデー」ということでレーベルとして認知してもらいつつ、特に10代、20代には『よふかし』『古見さん』『フリーレン』の3作品をプッシュしたいと思っていました。どの雑誌もそうだと思いますが、常に新規の若い読者を獲得し続けないとだんだんと読者が減って平均年齢が上がっていってしまいますので、広く読んでもらうためのきっかけづくりを意識しています。

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