2021.10.02
# 本

「韓国エッセイ」の併買本から見える10代女子の“意外なニーズ”

「韓国」くくりでは捉え損なう特有の「傾向」
飯田 一史 プロフィール

同時代のものを横軸で見るだけでなく、時代的・年齢的な縦軸で捉えることも重要だ。

たとえばTwitterポエムや韓国エッセイを積極的に刊行しているワニブックスは、2000年代後半に起こった第二次ケータイ小説ブーム時にもさかんに書籍化を手がけた版元であり、この種のエモブックを以前より得意としてきた。「韓国からやってきたものが最近突然売れた」と見るのではなく、歴史的な流れからこの現象を理解するべきだろう。

また、小学生女子の間ではマインドウェイブの文具発『一期一会』の小説版が学研から刊行され、シリーズが完結して新刊が出なくなって以降も定番化して読まれ続けている。『一期一会』も「「せーの」でお互いの呼び方を変えた今日。ちょっとムズがゆいケド恋人同士になれたコトを実感したんだよ」(文具に用いられた文面)といった恋愛や友情に関するポエムがウリのひとつであり、短文で感情に訴えるポエム文化圏という視点で捉えることもできる(もちろん、年代ごとに内容の違いはある。たとえば、小学生が好むポエムには自意識、皮肉はほとんどないが、中高生以上向けでは多少見られるようになる)。

韓国エッセイを「韓国発」というくくりで韓ドラやK-POP、韓国文学と並べて捉えるだけでは、むしろ見えなくなるものがある。

日本の思春期女子が持つエモ/ポエムに対する根強い需要が、ハ・テワンらを発見したのだ。

 

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