2021.10.01
# 地震

10月1日 緊急地震速報の一般提供開始(2007年)

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

2007年の今日(10月1日)、NHKや民放で緊急地震速報の放送が開始されました。

この2007年の本運用にあたり、設備の不良や情報を受け取った一般の人の混乱が無いように、2006年から試験的に提供が行われていました。

気象庁によると、緊急地震速報とは「地震の発生直後に、各地での強い揺れの到達時刻や震度を予想し、可能な限り素早く知らせる情報のこと」で、現在は震度4以上の強い揺れが予想される地域に発表されます。

そして、この速報をもとにして各地の列車がスピードを落としたり、工場の危険な機械を制御するなどの対応が行われ、地震の被害を抑えることに貢献しています。

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あまり知られていないことですが、実はこの緊急地震速報のアイデア自体は1970年頃にはすでに存在していました。しかし、実現までに40年近い歳月がかかったのは、揺れを観測する多数の設備や揺れの速さを上回る高速度の通信設備などの条件が整わなかったという理由があります。

地震の揺れには最初に到達するP波(primary wave)と次に到達するS波(secondary wave)があり、壊滅的な被害を与えるのは後から来るS波の方です。

気象庁は全国に約690ヵ所にある地震計と約1000ヵ所にある国立研究開発法人・防災科学技術研究所の地震観測網を用いて震源に一番近い観測点でP波を捉え、主要なS波の到達を予測しています。

この際、S波より前に全国に向かって一斉に情報を伝えなければならず、高速の通信設備の存在は必須だったのです。

現在はインターネットも発達し、国民のほとんどがスマートフォンを持つ時代となってこの問題は解決しましたが、逆に情報は氾濫してインターネットには多くのデマも流れる時代となりました。

地震などの天災については正確な情報源を確保し、緊急地震速報が発表された際には落ち着いて行動することが重要です。

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