2021.10.01
# 宇宙科学

「エイリアンの宇宙船」とも言われた、ナゾ多き「恒星間天体」の正体がようやく見えてきた…!

コズミックフロント プロフィール

ナゾ解きのカギは2015年の冥王星探査

2015年、NASAの探査機ニューホライズンズが准惑星・冥王星に大接近しました。打ち上げから9年あまり、人類は初めて太陽系の最果てにある天体を間近から探査することに成功したのです。その結果、冥王星の表面は厚さ数キロメートルにもおよぶ窒素の氷で覆われていることがわかりました。

そして、その冥王星のアルベドが0.64だったのです。

計算から導かれたアルベドの値と、冥王星の観測データとの一致に気づいたとき、2人は大きな手応えを感じたと言います。

探査機ニューホライズンズが撮影した冥王星・Credit: NASA/JHUAPL/SwRI
拡大画像表示
 

オウムアムアは系外惑星のかけら…

オウムアムアの観測と合う窒素の氷が、太陽系の果てに、膨大に存在している。このことに気づいた2人は、「オウムアムアは窒素の氷の塊」だと仮定して計算をすすめます。オウムアムアと同じ軌道を描きながら太陽に熱せられたときにどうなるのかを計算してみると、9割がガス化して失われるものの、残りの1割は氷として生き残ることがわかりました。

もともとは丸い形でも、大半がガス化した残りの氷は「使い古しの石けん」のような平べったい形状になるはずです。それが自転していれば、明るさを大きく変える天体として観測されるのです。さらに窒素ガスは望遠鏡で捉えにくいため、ガスの噴出が見られなかったという観測結果も説明できます。

オウムアムアは窒素の氷の塊だと考えると、すべての謎を同時に説明することができると気づいた2人は、「別の恒星を巡る冥王星に似た天体から剥がれ落ちた窒素の氷の塊が、恒星間空間をさまよった末に太陽に近づいた」という壮大なシナリオを作りあげました。

2021年3月に発表された新しい説によれば、オウムアムアは太陽とは別の恒星を巡っていた天体から剥がれ落ちた窒素の氷の塊だという/NHK提供
拡大画像表示

関連記事