「妻が、子供が欲しいなんて言いやがった」DINKsを悩ませる「心変わり」問題

結婚生活において、子供をつくる・つくらないの選択は非常に大きなものだ。しかし案外、結婚前に子づくりに関する価値観を擦り合わせる夫婦は少ないと、ルポ『ぼくたちの離婚』(「めちゃコミック」でコミカライズが連載中)の著者である稲田豊史氏は指摘する。

※以下、稲田氏による寄稿。

 

子づくりに関する「心変わり」問題

およそ4年にわたりバツイチ男女の離婚の原因に関する取材を行ってきたが、「子供を作る・作らない」が離婚の原因になるケースは少なくない。しかし世の中では、「子供を作る・作らない」を結婚前にあまり話し合わない夫婦が意外なほど多いようだ。

結婚情報誌「ゼクシィ」が花嫁を対象に行った調査(2019年7月実施)によれば、結婚前に「お互いに子どもが欲しいかどうか、欲しい場合はそのスケジュールなどを具体的に話し合った」のは55%だという。半数近くが話し合っていないことに驚くのは、筆者だけではないだろう。

その調査では42%が「一応話はしたが、家族の人数など夢を語り合う程度で、具体的な話まではしていない」そうだが、「いつか欲しいね」「授かるといいね」「仕事が落ち着いたら、ゆくゆく話そうね」は、話し合ったうちに入らない。

ただ、事前に話し合っていたとしても、破綻は起こる。どちらかの心変わりだ。

筆者が過去に取材した、ある夫婦の事例について紹介したい。花田啓司さんと玲子さん(どちらも仮名)夫妻は「2人の時間を大切に」するため、子供を作らない約束で結婚した。いわゆるDINKs(Double Income No Kidsの略)だ。しかし結婚6年目、玲子さんが突然「子供が欲しい」と言い出す。その理由は漫画『ぼくたちの離婚』で詳しく描かれているが、花田さんがこの話を筆者にしてくれた際、吐き捨てるように言った言葉が忘れられない。

「玲子が、子供が欲しいなんて言いやがったんです」

『ぼくたちの離婚』より

関連記事

編集部からのお知らせ!

おすすめの記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/