2021.09.30
# 学校・教育

「体育会系は就職に強い」神話が崩壊した“根本原因”

少子化なのに体育会系学生が爆増していた
飯田 一史 プロフィール

――体育会系学生を多数抱える大学は、どう変わればいいでしょうか。

束原 今の話は、大学側からみると、目先の定員充足しか見ておらず、とにかくスポーツ推薦で学生数が確保されさえすればいい、すなわち、入学した学生アスリートが学業と競技の両方を追究できる環境(サポート体制)整備などは優先順位を下げざるを得ない、という発想に陥りがちであることを示しています。私も大学教員なので、中小私大の経営が苦しいのは身に沁みてわかりますが、これでは修学機会を得た学生アスリートも高等教育機関としての大学もハッピーになれないと感じています。

私は2007年に札幌の中堅私立大学にはじめて専任教員として赴任し、そこでインカレ出場回数最多という強豪サッカー部の監督を経験しました。その大学のサッカー部ではOB会長が新入生に対して最初のミーティングで「あなたたちはプロからも東京六大学からも関関同立からも声がかからずうちに来たのです。ですから、『サッカーを仕事にする(プロサッカー選手になる)』などとは考えずに就職するつもりで4年間過ごしなさい」とハッキリ伝えていました。

4年生は内定を取ってきた選手にだけ公式戦出場と練習参加を認めるという方針で、サッカーを全うしたければ就活に真剣に取り組み内定を獲得しなければならないという“しくみ”になっていました。こういうクラブであれば学生や保護者にとっても採用側にとっても、また大学にとってもいいと思うんですね。

スポーツ推薦で入ってきた学生が、スポーツや大学生活の中で試行錯誤を通じた成長の場を得て、日々の練習同様に継続的に学び続ける姿勢を身に付ける――偏差値に関係なく、こうした学生が増えることによってしか、体育会系神話の再興はありえないと思っています。

 

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