国が見捨てた就職氷河期世代の絶望…バブル崩壊後の30年間で何が起きたか

当事者として、取材者として
小林 美希 プロフィール

就職氷河期世代の非正社員「約600万人」

いったん絶望し、諦めてしまえば、どんな支援があったとしても届きにくくなる。私が就職氷河期の問題を追ってから18年が経つ。16年前のインタビューで丹羽氏が言及した通り、もはや「too late」の状況に陥っているのかもしれない。現在、35~49歳の非正社員は約600万人に膨らんでいる。もはや誰も解決の糸口を掴めないくらい、事態は深刻になる一方だ。

自民党政治の下で、製造業の日雇い派遣が解禁され、労働者派遣は今や全ての職種で期間の上限が3年になった。就職氷河期世代を置き去りにしたまま、業界団体のロビー活動も後押しして外国人労働の拡大が図られた。「女性活躍」は女性に仕事と家事と子育て、介護の両立を押し付けるだけ。「働き方改革」や正社員と非正社員の「同一労働同一賃金」も、実態は伴わない。

就職氷河期を追うなかで、そのライフステージに寄り添い、周産期医療や看護、保育の問題もライフワークになったが、全て構造問題がある。国が作る制度が密接に関わり、政治が現場を疲弊させている。新型コロナウイルスが蔓延するなか、政治の機能不全が鮮明となった。総選挙を前に、これまでを振り返らざるを得ない。

政治家にしがらみがあれば、正しいことが言えなくなる。けれど、この18年の間に分かったことがある。世論が盛り上がれば、政治は正しい方向に動かざるを得なくなるということだ。その世論を作るのが、現場の声であり、現場の声を活字にして伝えるのが私の役割だ。就職氷河期世代の問題を解決するのは困難だろう。しかし、目指すべき道が見えなくならないよう、私は書き続けていきたい。

 

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