2021.09.29
# 介護

エリート証券マンの夫がある日「若年性認知症」に…介護に疲れた妻の「辛い決断」

すべてをひとりで抱え込んでしまい…

人の名前が思い出せなくなって

認知症など、自分とは関係ない話。そう思っている人も多いのではないでしょうか。

日本医療研究開発機構(AMED)認知症研究開発事業の調査によると、平成21年における64歳以下で発症する「若年性認知症」の有病率は、人口10万人当たり47.6人でしたが、最新の調査では50.9人に増加。若年性認知症の総数も3.57万人といいますから、決して他人事とは言えません。

しかも、働き盛りの現役世代で発症する若年性認知症は、高齢者のそれとは違い、本人だけではなく家族の人生にも大きな影響が及ぶのが大きな特徴です。

神奈川県に住む大野さん(仮名)は、証券会社の支店長まで勤めた超エリートでした。身長は180cm以上のがっしりしたスポーツマンタイプ。仕事柄、酒の付き合いも多かったのですが、それでも健康診断で引っかかったことはありません。

photo by istock
 

そんな大野さんが、「若年性認知症」を発症したのは56才の時でした。以下、大野さんの認知症発症から現在までの経緯を、妻の真由美さんからお聞きした話を元に紹介します。

大野さんが自分自身の異変に最初に気づいたのは、人の名前が出なくなったことでした。

「あの人に電話をしてみよう」と頭で思っても、名前が思い出せず、スマホの連絡先を順番に眺めてようやく、思い出す始末です。

しかし、「そんなことは誰でもあることだ。俺ももうすぐ60だしな」、そう自分に言い聞かせて、そのままやり過ごしていました。もちろん、妻や同僚に相談することもありません。

そんな状況が出て、半年が過ぎた頃、自分でも「単なる年のせいではないかも」、と感じはじめます。それは電話のメモがきっかけでした。

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