「SEXをしたい=性欲」とは限らない

自慢できるほどの経験はないが、過去にはパートナーが定まらなかったり、ただ一瞬の宵の楽しみでまぐわうことがあった。シンプルな性欲と、うまく自分を表現できない、誰も自分を理解してくれないという不安で、パンパンに張り裂けそうになっていた時期のガス抜きになっていた。

「性欲」と呼ばれるものの内訳は、私の場合、異常な好奇心と精神的なものが半分以上を占めているのではないかと今は思う。探究心にストレスが重なって、満たされないものを別の強烈な刺激で忘れようとすることを、性欲の強さと言っていただけかもしれない。

写真提供/バービー

心根が安定すると、性欲はおだやかになり、そのエネルギーは別のものに使えるようになる気がする。性欲SDGsだ。これは、あくまでも個人の感想だ。100%で純粋なるセックス欲です、という人もいるだろう。

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つまり、「性欲」と一口に言っても、心が満たされないものを何かで埋める「何か」がセックスであることも多いと思うのだが、そうではあっても、純粋なる性欲も食欲と同じようにあると言いたいのだ

それなのに、女性側に溢れるイケメン、筋肉など性的な魅力を意味する広告やエンタメは野放しにしたまま、男性側にとって性的な魅力を意味するヴィジュアルを一切使うなと話を進めるのはなんとも強引なやり方だ。だからといって私は、それらの全ての要素を駆逐したいとは思っていない。

筋肉とイケメン。実際、人気があるのは確かだ。シチュエーションやタイミングだけ間違わなければ、人を褒めるワードの共通認識など、同じぐらいのレベル設定にするぐらいの気概で話し合いたい。交渉には、得るものと同時に失うものも想定しておかないとフェアではない。

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そして、重大な相違点は、女性が加害者である性犯罪の件数は明らかに少なくて、男性の性欲が性犯罪に繋がるケースが多いという点だろう。だが、警視庁が平成29年9月に発表した痴漢・強姦・強制わいせつ等の加害者151名に動機の聞き取り調査をした結果をみると、性犯罪の加害者は被害者をヴィジュアルで決めているわけではないということがわかる。人目につかない場所の確保など計画的に行われていたり、「だれでも良かった」というケースも多い。ミニスカートや胸が強調された服など、萌え絵から連想するような容姿「だから」被害に遭うわけではない。