2021.10.20
# Facebook

フェイスブック内部告発で再燃する「SNS議論」…本場アメリカの人々の「本音」

議論は次のフェーズに入るのか?
安部 かすみ プロフィール

議論は次なるフェーズに入るのか

人生経験をある程度重ねた世代であれば、他人の投稿にlikeだけしたり、一時的に使用を休止しメッセンジャーだけを使ったりするなど、SNSとうまく距離をとることで心身の健康を保っている人も多い。

しかし、デジタルネイティブと呼ばれる特にZ世代の若者にとって、必ずしもそうではないようだ。

アメリカではインスタグラムの過度な閲覧で摂食障害になったティーンの話などが、日常茶飯事で報道されている。冒頭のハウゲン氏も、公表した内部文書でフェイスブックやインスタグラムなどのSNSが、特に体型の写真をめぐって少女たちに害を及ぼしていると非難した。

同氏が米証券取引委員会に提出したフェイスブックの内部調査内容によると、10代の少女のうち13.5%がインスタグラムによって自殺や自傷願望が高まったと答え、拒食症のような摂食障害が悪化したとする回答は17%にも及んだ。

photo by gettyimages

筆者にも忘れられないエピソードがある。数年前、とあるスターシェフにインタビューした時のこと。

その人物は30代で、ニューヨークの一等地にディナーのコースメニューが一人何百ドルもする高級レストランを開業し、時の人として話題をさらったシェフとして知られる。外国出身の彼は移民ながら一代で人気店を築き上げた、いわゆるアメリカンドリームを体現した成功者だ。

インタビューの終盤で若い人へのアドバイスを聞いたところ、彼はこのように即答した。

「インスタグラムを見すぎないように」

その理由は「SNSで友人が何をした、どこに行ったなどの情報は、若い人には悪い影響しかもたらさない」ということだった。

 

その後、そのスターシェフの意向でこの言葉はオフレコとなり、お蔵入りしてしまった。彼の店ではPRツールとしてSNSを活用しており、その“功罪”を再考してのことだろう。

しかし筆者は、少なからずSNSの恩恵を受けてきた成功者からこの言葉を聞いたとき、「このような人でもSNSについてネガティブな持論を持っているのか」と改めて考えさせられた。

SNSが誕生して数十年、ハウゲン氏の問いかけにより「SNSの功罪」が再び議論されようとしている。本場アメリカでは、次なるフェーズに入るのか。

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