2021.10.20
# Facebook

フェイスブック内部告発で再燃する「SNS議論」…本場アメリカの人々の「本音」

議論は次のフェーズに入るのか?
安部 かすみ プロフィール

アメリカで言われているSNS使用のメリットは、現代社会には欠かせない有益な情報ツールであり、簡単に繋がる便利さや災難時に活用できることなど。デメリットは中毒性や精神に与える悪影響、フェイクニュースが拡散されやすいことなど、日本で語られるものとそう変わりはない。

アメリカは日本より3〜4年ほど使用開始が早かった分、デメリットを回避するために見切りをつけた人も早期からいる印象だ。「やりすぎると精神的に良くない」や「所詮、虚構の世界だよね」という意見が聞こえてくる。

マーク・ザッカーバーグ氏/photo by gettyimages

例えば、筆者の周りにいる「SNSの投稿を一切止めた」というアメリカ在住の知人女性に理由を聞くと、こんな答えが返ってきた。

「地元に住む友人が、自分の投稿を見て羨ましく思ったり妬んだりするのは本望ではないから」

彼女は誰に何を言われたわけではないが、自らの判断でそう決めたということだ。また別の友人は、フェイスブックで“さよなら宣言”をし、アカウントごと突如消え去ってしまった。理由は明かさなかったが、おそらくSNS疲れによるものだろう。

では、ほとんどの人が使っていないのかと言えば、完全に遮断している人はそれほど多いわけでもない。アメリカ人(多くはミレニアル世代以上)もその功罪を理解した上で、のめり込み過ぎないようにしながら、程よく距離を取りつつうまく付き合っている感がある。

 

今回のフェイスブックへの追及に対して、現地アメリカではさまざまな議論が沸き起こっている。筆者のもとに聞こえてきた声を紹介しよう。

「なぜ政府が介入してまで規制の必要があるのか?(何が真実で何が嘘かは)誰でも頭を使えば共通認識としてわかることではないか?」

「数年前からフェイスブックとは距離をとっている。 時々見ることもあるが、見るとすぐに目眩がする」

「昔、ネットの世界は現実逃避先だった。20年経った今では、ネット世界からの逃避先がリアルな世界となった」

など、SNSに対して厳しい意見も増えたように感じる。

また「悲しいことに、このような告発があってもほとんどの人がフェイスブックをやめないだろう」とする声も聞こえる。

ワシントンポスト紙も「アメリカ人の70%がフェイスブックを使っており、デメリットを踏まえて離れる決断をしたとしても、最適な代替ツールがほかにないため、結局人々はやめきれないだろう」としている。

SNSの虚構性を表現する「1枚の写真」

SNSをアメリカ人と語ると、だいたいFilter Bubble(フィルターバブル)の話になる。

インターネット・アクティヴィストであるイーライ・パリサー(Eli Pariser)氏によって10年前に生まれた造語で、Social Media Bubble(ソーシャルメディア・バブル)とも呼ばれる。

バブルと言えば、今夏の東京オリンピック・パラリンピック報道を思い出す人もいるだろう。選手と一般市民を隔離するために選手村と試合会場を包み込んだ「バブル方式」。フィルターバブルも同様のイメージだ。

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