2021.10.06
# 介護

悲しい「介護殺人」や「孤立」を防ぐには…?「ヤングケアラーだけ」の支援ではまだ足りない

奥村 シンゴ プロフィール

「俺だけ何で介護を…」同世代や家族からの孤立

他方で、18歳~30代の「若者ケアラー」や30代後半から40代半ばまでの「就職氷河期ケアラー」も支援が不可欠です。なぜなら、親や祖父母などの介護をすると、「介護離職」「仕事のキャリア形成不足」「貧困」「独身」に陥る可能性があり、世の中から取り残されかねないからです。

筆者が介護するようになったきっかけは、弟と妹が既婚で家庭があることと、祖母への想いが希薄で介護に非協力的でした。

介護当初、祖母が認知症を罹患した直後に母親が脳梗塞で倒れ、一気にダブルケアが必要になり、介護離職……。祖母の昔からの税金滞納や浪費癖の借金が200万超で施設に入所する経済的余裕がありませんでした。

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母親は、脳梗塞から回復し自宅静養やリハビリ生活を送っていましたが、合間に大腸ガンや精神疾患を罹患し、体調がいまいち思わしくなかったです。

ただ、筆者は、幼い頃からずっと可愛がってもらった祖母を「老人ホームではなく、できる限り食べる、飲む、笑う、歩く、泣く、ケンカする……と人間らしく過ごしてほしい」気持ちが一番強かったです。

 

とはいえ、両親を15年間在宅介護した元看護助手の彼女に出会うまで、身内の在宅介護を気軽に相談できる相手が全然いませんでした。

日中、祖母と散歩をしていると、近所から「あれ?今日平日よね、何の仕事してるの?」と聞かれ、外出しづらくなったり……。

あるいは、祖母の認知症が進行し、財産管理ができないのに「あんた、お金と通帳どこにやったんかいな?盗んだんちゃうんかいな?返して。警察に通報するで」と暴言を吐かれたり、夜中から早朝に祖母がオムツ外しをし、尿がベッドから寝室に横もれしたと同時にトイレで便器と逆向きに便をし、後始末に追われたり。

家族からはほとんど連絡がなく、友達や後輩が次々と結婚し家庭をもち出世する中で、「俺だけ何で介護してるんだろ」と虚しさや悔しさがこみあげることもありました。

ただ、祖母が「車椅子は絶対使わへんで、自分で歩きます」と生きるのに前向きな姿をみて、筆者は「もう少し在宅でみたい」と思ったものです。

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