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悲しい「介護殺人」や「孤立」を防ぐには…?「ヤングケアラーだけ」の支援ではまだ足りない

最近、家族や介護のケアをする18歳未満の子ども「ヤングケアラー」がクローズアップされるようになってきました。

一方で、18歳以上~30代の「若者ケアラー」や、30代後半から40代の「就職氷河期世代ケアラー(ミドルケアラー)」はさほど話題にならず、支援の狭間にいます。私の周囲やSNSでは「ヤングケアラー以外は話題にならず寂しい」「ヤングケアラー以外も支援が必要なケアラーは山ほどいる」と疑問を呈する意見が多数上がっています。

筆者は、30歳過ぎからガンや精神疾患の母親と認知症祖母を9年間ほぼ1人で介護し、「ヤングケアラー」は、親と子・きょうだいの双方支援、「ケアラー」はシングル・多重介護者に絞るのがベストと考えています。

幅広いケアラー年代のサポートが必要と考え、先ごろコミュニティー(詳しくは後述)を開設しましたので、その話も合わせて、ケアラーたちの過酷な現状をお伝えします。

揺れる「ヤングケアラー」の定義

「ヤングケアラー」の18歳未満はあくまでも「日本ケアラー連盟」が推奨している年齢であり、政府は明確に定義づけていません。

筆者が参加した講演では「ヤングケアラー」の定義について、介護者から「経済的・精神的に自立した年齢」や「18歳で区切らず、学生生活を終えた年齢がベスト」など多様な意見が飛び交い、議論の余地があります。

筆者が知る「ヤングケアラー」の中には、若い頃のケア経験を強みに変え介護士で働いたり、福祉用具の営業マンになるなど活躍している人たちが少なくありません。

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他方で、親など要介護者の年齢が65歳以下と若く、介護保険対象外になる場合が少なくなく、負担が大きくなりがちです。

私が取材した例では、Aさんは統合失調症の母親の介護と小学4年の妹の世話をしていました。Aさんは母子家庭で2人生活で学校と家の往復。教師や学校からは気づかれず、悩みを打ち明ける相手もいない……。

さらに、Aさんの母親は58歳、年金額が毎月6万円で生活保護を受給していました。

Aさんは、将来志望していた弁護士の夢を一旦あきらめ高校進学をせず工場に就職。「お母さんの生活を少しでもラクにしてあげたい」一心だったと言います。

その後、Aさんの母親は、Aさんが20代半ばの時、病気で亡くなり介護生活に終止符が打たれました。

 

「数人の友達だけに介護をしているのを打ち明け、遊ぶ時はお金がないけどごめんと言うのが辛かったですね。ヤングケアラーでも平等にチャンスが与えられる社会になってほしいです」とAさん。

この例のように、もし、親と子、その兄弟ともに支援があれば、Aさんは高校進学が可能になり弁護士の夢が叶ったかもしれず、進路の選択肢が拡がり、孤独を感じなかったかもしれません。

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