目の中に荒れ狂う“砂嵐”が…五輪メダリスト・水谷隼が明かした「目の異変」の正体

本日、自著『打ち返す力』を上梓
現代ビジネス編集部

ついにある病名にたどり着く

水谷さんを襲った目の中の砂嵐は、まさにこの「視覚受容系」の症状に合致する。

アナログテレビをつけっぱなしにしたとき、深夜になるとザーザーとした白黒のノイズが出た。ちょうどあのノイズのように視界にザワザワと細かい粒子が見えるのだという。

〈白く塗装された壁、エレベーターの中は砂嵐の現れ方がひどい〉〈おそるべきことに、砂嵐は目を閉じても続く。眠ろうとしても、まぶたの中でザワザワとノイズが騒ぎ続ける。耳鳴りや偏頭痛のように「慣れる」「そういうものだとあきらめる」という姿勢でやりすごすしかない。不眠に苦しむことも多くなった〉(『打ち返す力』より)

「打ち返す力 最強のメンタルを手に入れろ」(講談社)

水谷さんは、この症状が出る前に、視力の低下のためレーシック手術を受けていた。まさかレーシック手術で医療過誤でもあったのだろうか……。自らの症状をインターネットで検索しまくり、ついにある病名にたどり着く。

「ビジュアルスノーシンドローム(Visual Snow Syndrome)」

医師によって告げられたのではなかった。同じ症状に苦しむ人々のサイトなどから見つけたのだ。この疾患は、「国際疾病分類(ICD)」などには登録されておらず、眼科医の教科書にも載っていない。

前出・若倉氏が言う。

「神経眼科の臨床現場で、私のもとにやってくる人々の中に、水谷さんと似た症状を訴える例がありました。最初に診たのは女子中学生で、視野の中にいつも小雪が降っているようで、邪魔でしょうがないという。この症例に私が『小雪症候群』とつけたのは2004年、自著の中で発表したのは2005年でした。その9年後、2013年にイギリスでVisual Snow Syndromeとして報告され、次第に広まっていったのです」

 

とはいえ、この症状についての研究論文が発表されたのは、2019年が最初であり、日本では今年になってようやく症例研究が発表されただけである。

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