「ルークより絶対ハン・ソロ! 大人なところと独立心がある。周りに流されずに自分の正義があって。マーク・ハミルは可愛い感じだけどハリソン・フォードの大人な魅力が圧倒的」(50代女性)

「ハン・ソロ! 理由は、ハン・ソロの役が“ザ・正義”という感じじゃなくて少し悪役要素もあって、日本の映画とかにはなかなかいない役どころだと思ったから。あと単純に雰囲気が好きだから」(12歳男子)

「ルークかハン・ソロだったらハン・ソロでしょう! 最後までかっこよくて、ちょっとダメな男で、父親としても息子とちゃんと向き合えてなかったけど、カイロ・レンの最後の見せ場でニヤリと笑った表情が父親譲りで、父のかっこいいところちゃんと見てたのかと思ったらグッと来たよ。あ、ハリソン・フォードの話だったか。息子にも聞いたけど即答でハン・ソロだった!」(40代女性)

これは、「スター・ウォーズ」シリーズが好きな方々に「ルークとハン・ソロどっち推し?」と聞いた時に寄せられたコメントである。
そう、主人公のルーク・スカイウォーカーをしのぐ人気者がハン・ソロ船長だ。

主人公・ルークスカイウォーカーももちろん人気なんですが… Photo by Getty Images

ハン・ソロ船長はもちろん架空の人物だが、ハリソン・フォードが演じたからこそ、無頼で、周りに流されず、自分の道をいくハン・ソロ船長がリアルになり、人気が絶大なものになった一面は誰も否定しないだろう。
9月24日には『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』10月1日には『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』が金曜ロードショーで放送されるタイミングで、改めてハリソン・フォードの魅力を振り返ってみよう。

『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』より Photo by Getty Images
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生活のための「独学で大工」がもたらしたもの

ハリソン・フォードが生まれたのは1942年7月13日、アメリカのシカゴでごく普通の家庭に生まれた。大学を中退して役者になるためにロサンゼルスに移住、コロムビアピクチャーズと契約を交わす。1966年の映画『現金作戦』にベルボーイの役で初めて映画に出演、その後も数本の作品に出演したが、なかなか役者として食べていくことはできない。ハリソンには、1964年に結婚した妻との間に1967年と1969年に生まれた子どもがいた。役者の仕事だけでは家族が食べていけないと独学で大工を学び、大工の腕を磨き、ハリウッド関係者からも「腕のいい大工」として信頼されていたという。

大工の仕事をしながらオーディションを受けていたハリソンは、「生活の糧」がある上で余裕をもってオーディションを受けていた。そして1973年、ジョージ・ルーカス監督の『アメリカン・グラフィティ』に出演する。しかしこれが縁で『スター・ウォーズ』の出演が決まったわけではなかった。

2020年の2月、「ヴァニティフェア」の動画インタビューで、ハリソンはデビュー作からまでの作品を振り返っている。そこでハリソン自らが語ったことによると、当時ジョージ・ルーカスは『アメリカン・グラフィティ』に出た誰にも『スター・ウォーズ』のキャストにしたいという興味を示さなかったのだという。

日本語の字幕はないが、ハリソン自らデビュー作から語っており、その映像を観るだけで楽しい 出典/youtube Vanity Fair

ハン・ソロ役が決まったきっかけは、大工の仕事だった。ハリソン・フォードはフランシス・フォード・コッポラ監督の事務所に大工仕事のために来ていた。そのハリソンを見て、ジョージ・ルーカス監督が彼を「ハン・ソロ役としてひらめいた」のだと言う。その後オーディションを受け、ハン・ソロ役を射止めることとなる。
多くの役者が、何がなんでもハン・ソロ役を射止めたいと必死でアピールしていただろう。だがハリソンは他の役のときも「大工の仕事」があるゆえにクールな一面があった。しかも今回は思いもかけないところでオーディションを受けることになっていた。役にしがみつこうとしないそういう姿が、生きるために密輸をしていた無法者であり、それでも心の根っこに正義を抱えるハン・ソロと重なったのではないだろうか。

ハン・ソロはかつて生きるために密輸業に手を染めていた。その生い立ちは『ハン・ソロ/スターウォーズ・ストーリー』で今は明らかにされている Photo by Getty Images