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ドイツ総選挙、瀕死のSPD(社民党)が蘇り「左派政権」誕生の可能性大

誰がこんなことを想像しただろう

まさかの形勢逆転

9月26日は、4年に一度巡ってくるドイツの総選挙。しかし、誰がこんなことを想像しただろう、瀕死だった政党SPD(社民党)が蘇り、首相府への道をひた走っているなんて!

今回の選挙戦では、4月以来、各党の支持率の乱高下が激しかった。戦後、ほぼ一貫して第1党の座にいたCDU/CSU(キリスト教民主同盟/キリスト教社会同盟)が、現在、2位に転落(*CDU/CSUというのは保守の統一会派。CSUはバイエルン州、CDUはそれ以外を地盤として、常に2党で協働している)。

首相候補として死闘を演じているのは、そのCDU/CSUのアーミン・ラシェット氏と、生き返ったSPD(社民党)のオラフ・ショルツ氏。

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ただ、ややこしいのは、本来、政策を異にするはずの1)CDU/CSUと、2)SPDが、過去16年のメルケル政権のうち12年間も連立していたこと。つまり、両陣営は現在、選挙戦で争いながら、ともに与党として政権を司っている。

首相はCDUのメルケル氏で、副首相と財務大臣はSPDのショルツ氏。だから、選挙戦で下手に相手を非難すれば、全てブーメランのように自党に戻ってくる。いきおい政策の批判は控えめになり、首相候補固有の失敗をあげつらうという、非常にダーティーな選挙戦になっている。

さらに変則的なのは、CDUでは2018年12月より、メルケル首相が党首を降りてしまっていること。ここ数年、CDUは地方選のたびに票を減らし、袋小路に迷い込んでいた。しかし、メルケル氏は善処する意欲を示さず、それまでの「党首と首相は同一人物であるべき」という持論を突然翻し、クランプ=カレンバウアー氏に党首の座を譲った。そして、自分は煩わしい内政から逃れ、以後、3年間、首相として華やかに外交に飛び回り今日に至っている。

ただ、クランプ=カレンバウアー氏は、党首とは名ばかりで、次期首相の地位さえ約束されていなかったため、党をまとめることができなかった。苦境に陥っていた氏をメルケル氏が援護したかというと、それもなく、メルケル氏は後継者の失脚を冷たく見守った。こんな状態で、CDUがボロボロにならないわけはなかった。

 

今年の1月になって、コロナ騒ぎで延び延びになっていた党首選がようやく行われ、ノートライン=ヴェストファーレン州の州首相のラシェット氏がCDUの新党首に就任した。ただ、彼はこれまで国政には携わったことがなく、インパクトが弱過ぎた。

しかし、驕れるCDUは、まさか、そのために自分たちの第1党の地位が切り崩されるなどとは、思ってもいなかったのだ。それも寝たきりSPDの手で!

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