2021.09.23
# 中国 # EU # 台湾

習近平の「窮余の一策」中国のTPP参加申請は関係国が一蹴すれば良い

EUへ腹いせがヤブ蛇、台湾申請引出す

頼みのEUとすらけんか

しかしそれから半年も経たないうちに、この「歴史的大勝利」はいきなり危うくなった。2021年5月20日、EU議会は、EUと中国が合意した投資協定をめぐり、批准手続きの凍結を明記する決議を、賛成599票、反対30票で採択した。

こうなったことの原因は、人権問題を巡っての中国とEUとの「制裁合戦」にあった。今年3月22日、EUは中国のウイグル人弾圧を人権侵害とし、新疆自治区の公安幹部4人と公安局に制裁を発動した。そしてそれに対し、中国側は直ちに報復制裁を発表したが、それは、EU議会の議員や学者ら個人10人と4団体に対する制裁措置である。

つまりEUの制裁に対して、中国の習政権が「倍以上返し」の報復制裁で応酬したわけであるが、それは結果的にEU議会を敵に回してしまった。投資協定の批准を凍結したEU議会の決議は真っ先に中国がEUに報復制裁をかけたことを非難し、中国が制裁を解除するまでに批准を審議しない姿勢を示した。

しかし今の習近平主席には、EUに対する報復制裁を自ら解除するほどの柔軟性は持ち合わせていないから、中国政府としては、EU議会からの「制裁解除」の要求に応じるつもりは全くない。双方の対立は一向に解消されずにして継続し、例の投資協定の批准は今でも凍結されたままである。

 

それでは、習主席がせっかく手に入れた「歴史的大勝利」も泡になる可能性はかなり濃厚になってきているが、この可能性をさらに強くしたのは、今年9月に予定されているドイツのメルケル首相の引退である。メルケル首相こそは欧州きっての「親中派」であり、EU側におけるEU・中国投資協定の中心的な推進役である。メルケル氏が欧州の政界から消えた後には、風前の灯火の「投資協定」はより一層危うくなるのであろう。

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