習近平の「窮余の一策」中国のTPP参加申請は関係国が一蹴すれば良い

EUへ腹いせがヤブ蛇、台湾申請引出す

虐められたオーストラリアが合意するはずもなく

その一方、習近平政権は、その対外政策においてもTPP参加と相反するようなことをやってきている。周知のように、TPPへの新規参加には加盟国全員の合意が必要である。新規参加の希望国は加盟国の一国ずつと個別に交渉してその同意を取り付けなければならない。

もし中国政府は最初からの既定方針でTPP参加を目指しているのであれば、彼は当然それなりの環境整備を行ってきているはずだが、習近平政権のやっていることはむしろその正反対だ。

例えば、TPP加盟国のオーストラリアとの関係はそうである。2020年以前は、中国はオーストラリアとの関係は概ね良好であって、特に経済上の関係は非常に緊密であった。

しかし2020年4月にオーストラリア政府が新型コロナウイルスの起源に対する国際調査を求めたことを受け、中国政府はその直後から中国国民に豪州への渡航の自粛を呼びかけたり、豪州産牛肉の一部の輸入を停止させたり豪州産大麦に報復関税をかけたりして、オーストラリアとの貿易摩擦を自ら起こしてしまった。その後、中国はさらにオーストラリアからのワインや石炭の輸入にも制限をかけた。

それに対してオーストラリアがWTOに提訴する措置をとり、両国間の貿易摩擦と外交的対立がより一層深まった。

 

もちろん、そのことの結果、今後のTPP参加に当たっては、中国政府がオーストラリアの合意を取り付けるのにかなり難しい。それを難しくしたのはまさに中国政府自身である。習近平政権はあまりにも短絡で乱暴な豪州虐めを行ったことで、TPP参加への障害の一つを自ら作り出したわけである。

こうしてみると分かるように、TPP参加は習近平政権にとっての既定方針であるとは考えられないし、彼らはそれほどの重要事項としてTPP参加を真剣に考えていたわけでもない。だからこそ彼らは、国内政策と外交の両面において、中国自身のTPP参加を難しくするようなことばかりをやってきているのである。

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