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河野太郎大臣「堂々とブロックする」は許されるのか? SNSブロック問題の「本質」

「政治家のSNS利用」と「民主主義」

河野太郎行政改革担当大臣が、ツイッターで一般のユーザーをブロックしていることが話題になっている。よく知られる通り、ツイッターにおいて、ブロックされたユーザーはブロックしたユーザーのツイートを読めなくなり、リプライやリツイートもできなくなる。

河野大臣はブロックについて、9月18日にはニコニコ動画の生放送番組で「私はよくツイッターをブロックすると言われるが、ブロックしないと、私のフォロワーが誹謗中傷のリプを読まなければいけない。みんなが楽しくやろうと思っている時に、そんなものを私のフォロワーに読ませる必要はないというので堂々とブロックします」とも述べた。

国民の代表である国会議員がSNSにおいて国民をブロックすることを、どう考えればいいのか。関西大学准教授で、情報法や憲法が専門の水谷瑛嗣郎氏に話を聞いた。

〔取材・構成:丸尾宗一郎

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トランプ氏の裁判を参照すると…

——河野大臣のブロックが話題になっています。アメリカでは2017年、当時のトランプ大統領がツイッターの一部ユーザーをブロックしたことで訴えられ、地裁でブロックが違憲であるとの判決がくだされました。

この判決でトランプ氏は、「表現の自由」「報道の自由」などを保護する合衆国憲法の「修正一条」上の権利を侵害したとされ、控訴裁でも同様の判決が維持されています。これらの判決を参照すると、河野大臣のブロックはどのように捉えられるのでしょうか。

水谷 とても難しい問題です。たしかにトランプ氏のアカウントが一部のユーザーをブロックしたことは違憲と判断されました。一方で、トランプ氏のアカウントに限らず、アメリカでは似たような訴訟がいくつも起きていて、一部では、結果として政治家()によるブロックを「違憲ではない」とする判決も出ています。アメリカでも、政治家によるSNSのブロックが違憲になりうるかどうかの議論は未だ錯綜している印象です。

)以下の原稿では、話をわかりやすくするために「政治家」という語を使っていますが、厳密に言えば、アメリカの判決などで議論の対象となっているのは高位の官僚なども含む「公職者」です。
 

こうした状況を踏まえると、事態はもう少し複雑で、違憲になるか否かは「文脈」に依存するものだと考えられます。つまり、ブロックした人物の立場のみならず、アカウントの運用方法などが問題になってくるんです。

どういうことか、トランプ氏のブロックの違憲判決を読むとわかりやすいかもしれません。

そもそもブロックをめぐる裁判において、トランプ氏側は、自身のツイッターアカウントは大統領になる前の2009年から使っていた私的なものだと主張していました。私的なものであるから、ブロックをしても問題はないんだ、と。

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