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期待と多難のデジタル庁、いきなり粛清人事と幕引き用報告書の謎

疑惑報道続出、一連の迷走を検証する

背負わされているものは重大なのだが

わずか1年で終わってしまった菅義偉政権最大の功績のひとつと言ってよいデジタル庁が、9月1日発足。早くもいろんな余波が出始めております。

およそ600人の職員のうち3分の1に当たる200人ほどが民間出身の人材で、今後も民間からの出向などを積極的に受け入れるとされていますが、その門出までにはさまざまな紆余曲折がありました。

平井卓也デジタル大臣  平井氏HPより

もともと、デジタル庁発足の大きな目標のひとつは、国家、官公庁から発注するシステムやサービスに関して理解の深いデジタル人材が霞ヶ関には不足していることから、これらの発注を各省庁横断で一本化し、公正で安価な発注が可能にすることで日本政府や社会全体のデジタル化を推進することにありました。

起用する事業者のほうがデジタルやネットに詳しい以上、官公庁が発注する場合に特定の事業者・ベンダーに偏ってしまう「ベンダーロックイン」が発注価格、納期、品質いずれにも悪い影響を与えているという問題が指摘されてきたのです。

他方、民間から多数の人材を起用するデジタル庁においては、その人材の出身母体となる企業との関わりをどう適正なものにしていくのか、また、単に事務省庁としてのデジタル庁が広く日本全体のDXを推し進めていくうえでどんな政策プロセスを経る必要があるのかが改めて問われます。

民間からデジタル庁に起用するのは官民交流や硬直しがちな官僚のキャリアを考えても大変良いことです。

一方で、デジタル庁の人事や政策決定でゆかりの深い巨大ポータルサイト企業が、リモートワーク拡大で退去するオフィスを「居抜き」でそのままデジタル庁が入居するのは癒着ではないのかという指摘も出るなど、国土交通省ばりに談合や癒着を防ぎ利益相反をなくして透明化を進めるプロセスには関心が集まります。

つまり、頑張ってデジタル庁を作ったはいいものの、霞ヶ関の発注形態や検収、運用など幅広くDX面を管理するには、単にデジタル発注の窓口になりベンダーロックインを廃して一本化しますよというだけでは駄目で、各省庁の業務内容やジョブフローを知悉し、それに見合ったシステム開発を担わなければならないという大きな責務を負っているのです。

 

特に、各省庁業務のシステムの開発・保守に関しては、各省のシステムにプロジェクトマネージャー(PM)を派遣しているものの、業務量が膨大な割にデジタル庁で手足となる人員もそう多くなく共通システム程度を捌くのに週一日も工数が割けず限界があるのではないかとも言われています。これから頑張ろうというには何とも心許ない状態です。

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