分かったフリして笑うのはやめた!難聴をもつアイドルが「自分らしく」なれたきっかけ

我妻ゆりかさんインタビュー後編

感音性難聴の女子高生を主人公に、気鋭の漫画家くずしろさんが描く『雨夜の月』は、SNSを中心に支持を集めている意欲作だ。

前編に続き、主人公の及川奏音(おいかわ・かのん)と同じく感音性難聴であり、同性、同年代でもあるアイドルの我妻ゆりかさんのインタビューをお届けする。

『雨夜の月』第1巻が10月20日より発売!

「付けていることが恥ずかしいもの」と思っていた

――本作の主人公である奏音は今、作中では補聴器を装用していて長い髪で普段は見えないように隠しています。我妻さんにとっても、補聴器が学生時代はコンプレックスの象徴であったとインタビュー前編で話していらっしゃいました。けれども、こうしてお話を伺っていると、今はその存在が変わっているように思います。

私にとって補聴器は、昔は付けていることが恥ずかしいもの、誰かに付けているのを見られたら恥ずかしいもの、誰にも付けていることを見られたくないもの。これを付けていることのよって自分の将来が限られてくる、人生の幅が狭まるものとすら思えてくる…というマイナスのイメージしかありませんでした。

アップの髪型もしませんでしたし、髪の毛に紛れる黒色の補聴器を使っていましたし。だけど、今のお仕事をさせてもらって、それも自分の個性なんだ、難聴で生きていて補聴器を付けてきたから、私は今の私なんだ、隠さなくてもいいものなんだと思えるようになりました。

それは大きいことでしたし、生きやすくなりました。

 

――芸能活動を始めたきっかけを教えてください。

高校生のときは、体を動かして人と関わりたい、他の人と何か違うことをしてみたいと思って、興味あるものは全部応募して、居酒屋、バル&レストラン、コンビニ、イベントスタッフ、事務とか、いろいろアルバイトをしていたんです。その流れで受けた動画投稿アプリのインターンシップにも通って、それに参加させてもらっているときに、「写る側もやって」って言われて、そのときはじめて写る側になって、「自分を表現できる、めっちゃ楽しい!」と思いました。

それで、これから私は何がしたんだろう?と考えるようになって、モデルのお仕事がしたいと思うようになりました。

そういうお仕事がないかも調べて、ポートレートモデルというものがあるのを知って、ポートレートモデルや、動画投稿アプリで知り合ったヘアメイクさんの紹介でモデルのお仕事もさせていただくようになって、写真は自分を表現できる時間で、耳が聞こえなくても自由を感じられるものだと、楽しさを感じていました。

ただ、被写体になる際は自分から補聴器を外して撮られるようにしていて、きちんと事務所に所属して芸能活動は、補聴器をしていたら出来るわけがないとも思っていたんです。

だから、今のマネージャーさんに高校卒業前に声をかけてもらったのですが、最初は返事をはぐらかしていました。

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