2021.09.22

硬貨でちょうど払えない金額を考える「フロベニウスの問題」とは?

新幹線の座席から硬貨の組み合わせまで
横山 明日希 プロフィール

あらゆる数をつくることができる?

2n+3m=k (n,mは0以上の整数)

このkがどのような数をとるかを考えていけばよいのですが、偶数に関しては3人席を使う必要はなく2人席だけで作れば良いことは自明なのと、また3以上の奇数であれば、3人席を1つ使用し残りは2人席だけで構成すればすべての奇数が作ることができることもわかります。つまり、kは2以上の整数すべてを作ることができ、先ほど述べた「あらゆるグループの人数で隣の席に知人のみが座る状態をつくる」ことができることが数学的にも説明がつくのです。もちろん現実では、新幹線の座席数にも限度がありますから、グループの人数にも上限はありますが…。

ちなみに新幹線以外でも、飛行機でこのような性質が活躍しているケースもあります。飛行機の場合だと、3人席と4人席が主な座席配置として構成されているものがあります。この場合では6人以上の団体客なら、隣の席に知人のみが座る状態を作ることができます。

新幹線で2人席と3人席、飛行機で3人席と4人席の例を挙げましたが、2つの数が「互いに素」でないと、うまくいかなくなります。たとえば飛行機では時々3人席のみで構成されているものもありますが、この場合はグループが3の倍数の人数のときのみ、うまく座ることができますが、それ以外のときはうまくいきません。同様に考えて2人席、4人席という組み合わせでは奇数を作る事ができず、これもうまくいきません。

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今回の問題は、座席のことだけではなく、たとえば筆記用具などの備品をいくつずつにまとめて保管しておくと便利か、という問題にも役に立ちます。ボールペンを3本ずつと4本ずつにまとめておけば、どんなシチュエーションでもちょうど欲しいだけぴったりの数を持ち運ぶときに便利かもしれませんね。

ただ3本と4本の束という単位も、少し細かすぎるかもしれません。もう少し数の多い束にしてもこの性質がうまく活用できるのなら、活用したいものですね。続いての章で、この問題を別の視点から捉えたものを紹介しましょう。

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