2021.09.21
# 韓国 # 北朝鮮

「兵器好き」の金正恩も苦境か…北朝鮮と韓国の「誰も幸せにならない」軍拡競争の行く末

牧野 愛博 プロフィール

また、韓国は武器輸出にも力を入れている。

スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が集計した2016~2020年の韓国の武器輸出は世界全体の2.7パーセントを占め、占有率の多さは米国やロシア、中国などに次ぐ世界第9位だった。ポラメ を製作した韓国航空宇宙産業(KAI)は2015年当時、韓国、インドネシア両軍などにポラメ1千機を売り、180兆ウォン(約17兆6千億円)の利益を目指すと説明していた

もちろん、全て理にかなった動きというわけでもない。日本政府関係者は「SLBMは核を搭載した戦略兵器としてこそ、意味がある。核を保有しない韓国がSLBMを開発する意味があるのだろうか」と指摘。北朝鮮のSLBM開発への対抗心だけで、軍事的な意味をよく考えずに開発に突っ走っているのではないかという考えを示した。

また、米英豪3カ国が今月、新たな安全保障の枠組み「AUKUS」の創設を発表し、豪州軍に原子力潜水艦が配備されることになった。韓国内の一部には「我々にも原潜保有の可能性が出てきた」と喜ぶ声があるが、米韓関係筋は「米国は原潜技術の提供に極めて慎重だ。現在の米韓の間にそれだけの信頼関係があると言えるのか」と語る。米政府関係者は過去、韓国に原潜技術を提供する考えがないことを繰り返し、示している。

韓国は、北朝鮮との間で準戦時態勢にあることから、兵器開発の予算獲得が比較的容易な環境にある。過去の歴史を巡る国民感情を利用し、国会議員に「自衛隊も持っているから」という理由で、イージス艦や大型輸送艦の予算取りにも成功してきた。一見、不必要とも見える装備の拡充が、北朝鮮の「軍拡競争」への意欲をかき立てる結果になったとすれば、これほど不幸なことはない。

 

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