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ゲノム編集で生まれた「肉厚マダイ」のウラにある「根本的な難問」

「食」をどのように考えるべきか?

ゲノム編集によって生まれた「肉厚マダイ」

遺伝子の改変(ゲノム編集)で肉厚になったマダイが、9月17日に厚生労働省の専門家会議にて、安全審査は不要と判断された。従来の品種改良と変わらずに流通・販売が可能となる見込みと報道されている(朝日新聞2021年9月17日)。遺伝子を人工的に変化させることで筋肉量を増やされたマダイが、大量生産された安価な養殖タイとして、まもなく店頭に並ぶかも知れない。

これは、「クリスパー・キャス9」というゲノム編集の手法で可能になったものだ。特定のゲノムの場所をピンポイントにハサミのように切断するクリスパー・キャス9は、遺伝子改変の革命的技術とされる。2020年には、開発者のジェニファー・ダウドナ博士とエマニュエル・シャルパンティエ博士がノーベル化学賞を受賞した。

2020年に共同でノーベル化学賞を受賞したジェニファー・ダウドナ博士(左)とエマニュエル・シャルパンティエ博士[Photo by gettyimages]
 

クリスパー・キャス9を応用したゲノム編集が開発されたのは2012年で、2016年には肉厚マダイの第一世代が作られていたのだから、素早い技術開発だ。

ゲノム編集による「品種改良」は、米国を中心にダイズなどの植物ではすでに行われつつあった。

そして、日本で2020年に最初に認められたゲノム編集食品は、神経伝達物質のアミノ酸の一つGABAを高濃度に含む高GABAトマトだった。開発した企業のHPを見ると、すでに苗の一般配布が行われ、ゲノム編集トマトピューレの先行予約も始まっているようだ(https://sanatech-seed.com/ja/210427/)。

その一方、安全性への懸念から、日本消費者連盟はトマト加工食品メーカーに、ゲノム編集トマトを原料に使用するかどうかを確認する質問状を送付している(2021年5月24日)。

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