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「モノづくり大国」日本、じつは「世界で勝てる」のに負けてしまう「本当のワケ」

宇宙産業に見る「現実」と「課題」
村上 誠典 プロフィール

グローバルとビジネスの視点がテクノロジーに不可欠

私は宇宙開発に関わっていた頃、ビジネスや経済、金融など全く何の知識もありませんでした。恥ずかしくなるほど全く何も知りませんでした。

今でこそ、中高生や若い人でも、ビジネスや経済の知識は一定あると思いますが、私の頃はまだ理系全盛期で、理系は理系、文系は文系と学問ごとに大きな分断があり、理系の学生はマニアックで、そのことだけを考えていれば良いという風潮が強くあったように思います。

私は国際学会に参加したり、企業との共同開発などを通じて、日本に欠けているのがグローバルやビジネスという視点であると痛感しました。これからの宇宙開発は国の研究予算だけに頼っていてはいけない、自らテクノロジーの活用機会を見出し、宇宙産業として自らビジネス化することで新たな市場創出を行っていく必要があると考えました。

 

私が関わった"CubeSat"や「はやぶさ」といった宇宙開発プロジェクトも同じ危機感から生まれたものです。宇宙産業であるからには、グローバルで競争力を意識しなければいけない、台頭する中国、大国アメリカを見ながら、強くそう感じていました。

残念ながら、その頃私にベンチャーキャピタルやスタートアップという概念や知識は全くありませんでした。グローバルとビジネスという2つの強いキーワードに導かれ、金融ビックバンで日本で存在感を見せ始めた投資銀行ビジネス、そして世界最強と言われたゴールドマン・サックスとの縁に繋がっていったのです。

(本記事は祥伝社刊『サステナブル資本主義 5%の「考える消費」が社会を変える』より抜粋)

 【著者より】

現在の私は日々、スタートアップをはじめとし、数々の企業の経営陣から相談を受けています。そこから感じるのは、彼らは持続可能な社会の実現に向けて尽力したいという思いをそれぞれ持っているということです。彼らはまさに未来を創造する担い手であり、未来や人類のための価値創造に関わる仕事です。

しかし、実際に持続可能な社会の実現に向けて尽力しようとすると、ほとんどの場合が何をどうすればいいかが見出せず、見出せたとしても短期的に利益を創出しなければならない資本主義のジレンマによって、大胆な意思決定を阻害し、身動きがとれなくなってしまいます。

その現状を受けて、既存の資本主義の問題点と、それに代わる新たな資本主義を「サステナブル資本主義」と名付け、国、大企業、スタートアップ、個人それぞれでどうすれば実現可能かの道筋も含めて考えをまとめました。

企業価値の向上と持続可能な社会に向けての課題解決は両立し得るものなのです。本書では、何がその足枷となっているのか、どのようにすればその両方を実現できるのかについて、私の考えを示しました。

村上誠典氏

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