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「モノづくり大国」日本、じつは「世界で勝てる」のに負けてしまう「本当のワケ」

宇宙産業に見る「現実」と「課題」
村上 誠典 プロフィール

日本とアメリカの「決定的な違い」

実際、NASAの予算の何割と明確に開示はないと思いますが、かなり軍需予算が占めていると思います。加えて、大国ロシアや中国を筆頭とした新興国の台頭が予想され宇宙覇権の争いは激化することが予想されていました。つまり、アメリカは国家戦略として宇宙開発に積極的に取り組んできたのです。

軍需があると、その周辺にビジネスや産業が生まれます。結果として、日本の研究開発型の予算に比較して、軍需や産業といった大きな裾野の広がりがある点が日本とアメリカの決定的な違いでした。

一方で、日本の宇宙開発は完全に政府の予算に頼ったものでした。私が宇宙業界から離れた後も、政府の予算が増えることはなく、むしろ仕分けの対象となりJAXAに統合されるなか漸減のトレンドから脱することはありませんでした。

アメリカは予算規模が桁違い photo/gettyimages
 

そもそも、90年代から2000年前半は宇宙業界にとって閉塞感が充満していたように思います。60-70年代のアポロ計画が終わり、その後80年代からスペースシャトルの開発がありました。

日本ではバブルが崩壊し国全体が低迷期に入っていました。宇宙産業も1999年にH2ロケットが爆発するなど国民からの宇宙開発の必要性について大きな疑問が投げかけられていました。大国アメリカも例外ではありません。米ソ冷戦の終わりにより無尽蔵に宇宙開発予算を投じる大義がなくなりました。

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