文部科学省の2019年度の発表によると、小中学校の不登校児の割合は2012年から7年連続で増加している。その原因としていじめのことも調査されているが、いじめの認知件数も2012年度の18万5803件から2019年度の61万2496件と増加率も高い。

もちろんいじめはあってはならないことだが、不登校の原因は必ずしもいじめとは限らない。様々な理由で「学校に行きたくない」ということは存在するのだ。だからこそ、その子ひとりひとりにきちんと向き合うことがとても大切だ。

ジャーナリストの島沢優子さんは、長く不登校ながら、自分のやりたいことに向き合い生き生きと暮らす親子に取材。2回にわたってその姿をお届けする1回目は、現在中学1年生の彼の生き生きとした姿と、その背景にある親の姿勢についてお伝えする。

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「ゆたぽん」問題でわかった
「学校に行けない子」への認識

12歳のユーチューバー「ゆたぼん」が公式ユーチューブチャンネルで、学校の授業を対面かオンラインかで学ぶ登校選択制が増えていることにふれ、「時代が俺に追い付いてきた」と話したそうだ。不登校を「選択」している彼は、1年以上前から登校選択制を訴えてきた。

このことを取り上げた東スポの記事には、9月16日時点でコメントが5000近くついているが、どれもゆたぼんに対し否定的だ。
「対面だろうがオンラインだろうが、学校に行ってない癖にどの口が言うかね」
「この子供の真似をする子供が増えない事を願う」
ゆたぼんの存在やコメントについてどうこう言うつもりはないが、12歳に宛てた大人たちの言葉からは「学校は行って当然」という認識が垣間見える。

不登校の子どもは2019年度で7年連続増加。不登校のひとつの目安である30日以上欠席した小中学校の児童生徒は18万人を超えた。まったく珍しいことではなくなったが、子どもが学校に行かなくなると親も担任もうろたえる。そこには「学校に行けない子=かわいそうな子」というレッテル貼りがないだろうか。いや、私自身もそう思っていた。

そんな時代遅れな大人の先入観を覆してくれたのが、京都市内に住む中学1年生のA君だ。
小学校1年生の3学期から学校には行ってない。A君の母B子さんいわく「不登校のベテランさん」。普段は、世界のすべてがサイコロ型のブロックでできており、ブロックを採取したり、建物を作ったりすることができるデジタル版ブロック遊び「マインクラフト」や、オンラインゲームをして過ごす。B子さんと出かけることもある。

任天堂3DS の うごくメモ帳(うごメモ)を使ってお気に入りの絵を うごメモ に転写している 写真提供/A君母