2021.09.21
# エンタメ # 広告

THE FIRST TAKEが「広告賞」を次々受賞…そのウラで「広告業界」に起こっている重大な変化

難波 功士 プロフィール

しかし、スパイクスアジアの場合は、その音楽部門のカテゴリー「Fan Engagement/Community Building」での受賞でした。それぞれのアーティストのファンダムを維持・拡充し、さらにはTHE FIRST TAKEチャンネルのファン・コミュニティを創出していった「クリエイティビティ」が、評価の対象となったわけです。ゆえにこの受賞は、素直に納得できました。

日本においても、かつての広告賞から「広告」の文字が外れ、クリエイティビティに置き換わっていく事態は進行しています。

「全日本CM協議会(All Japan Radio&TV Commercial Council)」として始まったACCは、毎年すぐれたCMを「ACC CMフェスティバル」にて選出・表彰してきましたが、2017年には賞の名が「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」へと改称され、翌年法人名も「一般社団法人ACC」となりました。ACCという略称は守りつつも、Commercial(広告)の痕跡が消されていったわけです。

カンヌライオンズにもACCトーキョークリエイティビティアワードにも、「フィルム部門」という古風なカテゴリーは残っていますが、そこで受賞の対象となるのは、従来の「広告」の範疇を超えた、デジタル技術を駆使したさまざまな映像群です。

Photo by iStock
 

TCC賞を受賞した「ロジック」

THE FIRST TAKEに話を戻すと、この7月、東京コピーライターズクラブ(TCC)の主宰するTCC賞2021において、THE FIRST TAKEは「TCC賞」に輝きました。TCCのホームページを見ると、受賞の対象は「THE FIRST TAKE」というネーミングに対してであり、対象作品はWeb Movie(30秒)の「THE FIRST TAKE ステートメント yama編」となっています(https://www.tcc.gr.jp/2021年度-tcc賞/)。

たしかにYouTubeチャンネル“THE FIRST TAKE”は、視聴者・登録者を増やすために、30秒のウェブ動画をプロモーションとして流していたのでしょう。その30秒の動画においては、THE FIRST TAKEは広告の主体であるとともに、広告されるべき商品であり、その商品名を「THE FIRST TAKE」とネーミングした技量を、言葉のプロが集まったコピーライターズクラブが顕彰するのも不思議な話ではありません。

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