発達障害を抱える長男が心配

いまの夫は、麻里さんのカードでつくった元夫の借金もうまく整理をしてくれた。
「2歳しか年上じゃないのに、面倒見のいいお兄ちゃんみたいな人。しっかりとした勤め人で、お金の面もきちんとしている。すごく頼りになるんです」
麻里さんは、その人との再婚を決めた。

その後、麻里さんは、いまの夫との間に3人の子どもを出産。穏やかで幸せな家庭を築いている。
気がかりは元夫の実家に取られたままの長男だ。できれば麻里さんが引き取りたい。いまの夫も賛成してくれている。

「こちらで生まれた3人のきょうだいたちとも、みんなで一緒に海に遊びに行くなど関係は良好です」

実は、成長とともに長男には発達障害があることがわかり、小学校は特別支援学校に通っている。元夫が子育てにかかわっている気配はなく、義母が全面的に面倒を見ている様子だ。
しかし、この先、どうするつもりだろう。50代後半になる義母が、いつまで元気で子どもの世話ができるのか。発達障害があるなりの療育を受けさせたり、将来、自立できるように導いたりするだけの器量があるのか。

「ただペットのように可愛がっているだけで、子どものことなんか、何にも考えていないんだと思います」

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「親がそうしろって言うから」夫の驚きの言い分

実は、いまの夫の協力も得て、子どもが3歳くらいのときに一度、親権者変更の申し立てをしている。そのときは、子どもの監護状態に問題なしとして、変更は認められなかった。でも、子どもが中学生になる前に、もう一度、チャレンジしてみるつもりだ。
10年前は、ほんの子どもだった麻里さんも3人の子どもを生み育てるうちに成長し、いっぱしの「肝っ玉母さん」になった。

一方、元夫は、なんの成長もしていないように麻里さんには思える。というのも、1年ほど前に元夫と話す機会があったのだが、そのとき彼はこんなふうに言ったのだ。

「離婚したくなかったんだけど、親がそうしろって言うから仕方なく離婚した」
「嫌いだと言ったのは嘘で、本当はまだ好きだった」
「親権者変更も、俺はしてもいいと思ったけど、親が反対した」

「30歳にもなるのに、こんな情けないことを言う男とその親に子育てを任せてなんかおけない。そう思いませんか?」

1歳で引き離された息子はもうすぐ中学生…元夫ですら、母親の言いなりだった。果たしてきちんと自立できるように育ててくれているだろうか Photo by iStock
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