「子どもはこちらで育てますから」

その後、親同士が離婚話を進めた。元義母は「子どもはこちらで育てますから!」とまくしたてて譲らなかったという。麻里さんは、離婚届に離婚後の親権者を記載する欄があることも知らなかった。言われるがまま離婚届にサインをし、元夫を親権者とする離婚が成立してしまった。子どもはまだ1歳にもなっていなかった。

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とりあえず、お金を稼いで生きていかなきゃ。麻里さんはアルバイトを始めた。
「子どもに会いたかったけど、どうしていいかわからず、そのままになっていました」
無知だ、無責任だと麻里さんを責めるのは簡単だ。でも、当時、麻里さんはまだ20歳。社会経験もほとんどない、ほんの子どもだった。育ち盛りの弟が5人もいて、母親はその子育てにかかりきりで頼りにできない。麻里さんは誰にこの問題を相談していいかもわからず、1人鬱々としていた。

そんなとき、SNSを通じて知り合ったのが、その後、再婚することになるいまの夫だ。
「なんとなく仲良くなって、一緒に遊ぶようになったころ、『実は私、子どもいて、前の旦那に連れて行かれちゃったんだよね』と話したんです。『会えてる?』と聞かれて『会えてない』と言ったら、面会交流調停という手続きがあることを教えてくれて。そんなの申し立てるお金もないと言ったら、『俺が出してやるから』と。その後、子どもには月1回ペースで会えるようになりました」