試しに面倒を見る、と夫が子を連れ帰り…

元夫は謝ってきた。麻里さんの母親も「まあ、落ち着け」と。「そもそも男は浮気するもの。子どもも小さいんだし、許してやれば?」
それで麻里さんは、いったんは離婚を思いとどまった。しかし、産後の疲れもあるのか、一気に心身のバランスを崩し、寝込みがちになった。元夫は麻里さんの実家を時々訪れては、子どもの面倒を見てくれたが、麻里さんからすると全然足りない。もっと来てほしい、一緒に子育てしてほしい。

「子育て、大変なんだよ! わかってる?」
「わかってる」
「じゃあ試しに、まる1日、一人で面倒みてみなよ」
こんなやりとりの末、元夫は「わかった」と、自分の実家に子どもを連れて行った。

1日面倒みるはずだったが…(写真の人物は本文と関係ありません Photo by iStock
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麻里さんとしては、子どもは元夫の実家にお泊まりに行った、という感覚だった。ところが、元夫と子どもは、1日経っても2日経っても麻里さんのところに戻ってこなかった。
「おかしいなと思って、連絡しても『そのうち帰るよ』とのらりくらり。実家に行ったら、家に入れてくれない。『子どもを返して』と言ったら、『大変だからいらないって言ったのはそっちでしょ』と……」

父親の自覚どころか、夫としての自覚も足りない元夫が、自分の意思で子どもを囲い込んでいるとは思えない。これは、元義母が裏で糸を引いているな、と麻里さんは確信した。
どうしたらいいのか、手をこまねいているうちにどんどん時間が過ぎていく。麻里さんは精神的に病んでしまった。