「19歳で授かり婚をし、20歳で離婚しました。俗に言う、若気の至りってやつですね」
カラカラと、自嘲気味に笑う久田麻里さん(仮名・30歳)。

振り返れば、スタートからめちゃくちゃな結婚だった。一緒にいたのはわずか1年。それなのに、別れて10年経ったいまも、まだ振り回されている。
元凶は、元夫の母親、元義母だ。産まれて数ヵ月の長男を麻里さんから取り上げた。元夫を親権者として離婚が成立した後は、麻里さんに長男を定期的に会わせてくれてはいるものの、親権者変更を求めても応じない。

「義母が、自分のことを『ママ』と呼ばせて、抱え込んでいるんです。いま、2度目の親権者変更調停の申し立てをしています」

結婚は本人同士がするものだが、どうしても「それぞれの家族」が密接に絡んでくる。しかし、どちらかが「親の言いなり」となると、問題がややこしくなる。上條まゆみさんは連載「子どものいる離婚」で子どもを持ちながら離婚に向き合う多くの人を取材してきた。離婚はしても、子の親として向き合えるようになった元夫婦も少なくない。男女として、夫と妻としてはダメだったけれど、親同士としての付き合いに変化できることもある。問題が大きくこじれる場合の多くは、夫婦1対1ではなく、どちらかの親も口を出してくる場合が多いのだ。

今回取材をさせていただいた麻里さんは、まさに「義母の存在」が、子を巻きこんで10年経っても解決しない離婚問題をこじらせる要因となっている。
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元夫の母親は当初から結婚に反対

麻里さんと1歳年上の元夫は、地元の遊び仲間。趣味が同じで仲良くなって、家に泊めたりしているうちに子どもができた。
19歳と20歳のカップル。少し若すぎるかもしれないが、すでに2人とも社会人だったから、結婚に支障はなかった。けれど、ひとり親で元夫を育てた元義母が猛反対をした。

「子離れ、親離れができていない親子で、元夫は母親の言いなり。煮えきらないので、もし結婚しないんだったらそれでもいいけれど、認知をしてもらい、養育費も払ってもらうことになりますよ、と言ったんです。そうしたら突然、手のひらを返したように『結婚してもいい』と義母からお許しが出て。それで、籍を入れました」

結婚前からひと悶着あった Photo by iStock

すったもんだの時間が長く、その時点で、すでに妊娠8ヵ月。麻里さんは出産に備えてバイトを辞めていた。元夫も仕事を始めたばかりの身だから貯金はないし、給料の額など、たかが知れている。2人で暮らす部屋を借りることもむずかしく、とりあえず元夫の実家に住んだ。兼業農家で、家は広かった。

「でも、どんな経緯だか知りませんが、元夫の従姉妹も子連れで間借りしていて。とても居心地悪かったです」