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習近平の“自爆”で、いよいよ中国経済に「リーマン級のヤバすぎる危機」がやってきた…!

福島 香織 プロフィール

「3800万人の雇用」が溶ける…

ちなみに中国の公式データによれば、昨年の恒大の負債総額は1.95兆元(3050億ドル)で、この債務の中で、有利子負債が8700億元。今年6月にはそれを5700億元にまで減らしている。来年3月までには国内外の未償還債券問題は解決する、としている。8月25日の最新の財務報告によれば、今年上半期の不動産と自動車事業の赤字合計は80億元あまり、という。

ただ、注意すべきは、苦しむのが実は、不動産投機に淫していた富裕層や野放図な銀行ばかりではない、という点だ。恒大集団は、手ごろな価格住宅も多く作っており、中間層にも波及する。社員は20万人を抱え、各地に3800万人以上の雇用機会を提供。恒大が倒れると銀行のシステムリスクだけでなく、中国の雇用市場に大きなショックを与える。

 

こうした不動産業界の最末端の雇用とは、実は基層の人民、つまり農村から出稼ぎに来ている建設現場の労働者たちなのだ。雇用が失われれば、当然消費も落ちるし、なにより社会不安の原因となる。

また、不動産産業および建設業は天然資源の大食い産業でもある。今年5月以降、中国の鉄鉱石価格が4割前後暴落したのは、たんに習近平の掲げるエコ政策、カーボンニュートラル政策に基づく鉄鋼産業抑制だけでなく、不動産産業抑制による新規建設プロジェクトの中止、延期によって建築資材の需要が落ちたことも影響があるとみられている。

不動産投資が中国経済のメインエンジンとして広汎な産業の血流を循環させていたことは動かしようのない事実である。

その出力を党の指導によって絶妙にコントロールして見せる、という今の習近平政権なのだが、その強大な自信の根拠の背景に、自らの官僚人生を守るために、習近平の希望に沿わないネガティブな情報や分析リポートを上げなくなっている官僚組織の怠惰があることも頭の隅にいれておいた方がよいかもしれない。

「ポジティブパワー宣伝の自家中毒」という指摘は中国体制内のメディア学者たちからも聞こえている。

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