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私たちの暮らすこの宇宙は「必ず終わる」──いつ、どうやって?

最新理論が予測する5つの終焉シナリオ

宇宙の終焉

2020年、新型コロナウイルスが世界を襲った。巣ごもりせざるを得なくなった。外出ができなくなってしまったのは辛い。

あるとき、ふと夜空を見上げると、明るい大きな赤い星が見えた。インターネットで調べてみると、火星が地球に大接近中だとわかった。ほかの星も美しく、畏怖(いふ)の念さえ覚えた。いつどこに、どの星が見えるかが、天文学によって正確に予測されていることにも、いまさらながら感動した。人類が直面する予測のつかない事態をよそに、宇宙が規則正しく動いていることに安らぎを感じた。

【写真】火星大接近火星大接近に近づく2020年秋頃に、フランスで観察された火星 photo by gettyimages

だが、その宇宙とて、いつまでも「いまの姿」を保っているわけではなかった。その話をするために、ツイッターの世界では「アストロケイティ(@AstroKatie)」として知られるユニークな理論宇宙物理学者、ケイティ・マックが、宇宙の終焉についての本を準備していたのだった。

それが、今回、翻訳に携わることになった『宇宙の終わりに何が起こるのか』だ。

【写真】『宇宙の終わりに何が起こるのか』『宇宙の終わりに何が起こるのか』

最高の科学コミュニケーター

マックは現在、ノースカロライナ州立大学の物理学科で助教を務めており、地域社会と科学者のつながりを育む活動にも取り組んでいる。市民とのコミュニケーション活動は、早くもポスドク時代にマックがツイッターで始めたことだ。閉鎖的になりがちな研究者集団の中にあって、外部の人たちが、科学の何を面白いと感じ、どこを難しいと感じるかを知りたいと、つねに思い続けてきた人なのだ。

ツイッターは、それにうってつけの媒体だ。発信すると、すぐに反応が返ってきて、素早く対応できる。おかげでマックの文章スキルは向上したという。

宇宙の終わりに何が起こるのか』にも、その成果が大いに反映されている。マックは、今日の最高の科学コミュニケーターの一人といって間違いない。マックは、ジェンダーや人種による差別に対する批判もツイッターで発信している。特に、いまだに少数派である、理系分野の女性や、欧米科学界における非白人への差別には手厳しい。

そのマックは、子どもが自ずと科学に興味をもつようになる家庭環境で育った。母親はSFファン。祖父はカリフォルニア工科大学で学び、アポロ11号のミッションで、安全な着水の実現に一役買った。

そんななかでマックは、子ども時代にラジオを解体し、レゴ製のソーラーカーをつくったというのだからすごい。

やがて高校、大学と、物理学を学ぶなかで、実際にさまざまな研究に触れて自身のテーマを絞っていった。高校時代には、日本のスーパーカミオカンデも訪れ、研修を受けている。

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