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夫の死後「残された妻」に起きた現実…「相続登記」と「名義変更」ができないなんて

手間も時間もかかる

都内在住の藤井智子さん(78歳・仮名)は夫の死後、自宅の相続登記をしようと法務局を訪れた。

ところが、予想外の一言を告げられたという。

「『登記簿の住所と住民票の住所が一致しません』と言われたのです。登記を進めるには戸籍の附票や登記済証の提出が必要だと説明されましたが、さっぱり理解できませんでした」

子どもが独立したのをきっかけに、藤井さん夫婦は自宅を賃貸に出して、小さいマンションに引っ越しをしていた。そのため「登記簿謄本に載っている夫の住所」と「住民票に書かれた夫の住所」が違っていたのだ。

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書類上の住所が違えば、手続き上「別人扱い」となるため、「同一人物」であることを示さなければならない。

「こうなると補正という手続きが必要です。何度も引っ越しをしている人は戸籍の附票を取り寄せますが、過去のものとなると保存期間が5年しかなく、取得できない可能性がある。また、代わりに故人の登記済証(いわゆる権利証)を使うこともできますが、紛失している人も珍しくない。

その場合、相続人全員の同意を得て上申書を提出しなければなりません。子どもや親戚に頼み込む必要もあり、手間も時間もかかります」(司法書士の細井勇樹氏)

老親から相続した不動産の登記でも、「住所の不一致」は頻発している。残された連れ合いが、ひとりで煩雑な手続きを乗り越えるのは困難だ。

しかも'24年からは、相続登記を死後3年以上放置した場合、10万円以下の過料を科されてしまう。死後の手続きの最難関である「登記」に向けた準備は、今から済ませておくのが正解だ。

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