韓国映画を観るたび、「気合が入ってるな」と思う

なぜ人は狂うのだろうか?
科学と文明の時代に生きる現代人にとって、どうにも解明されない問題や不慮の厄災は脅威以外の何物でもない。世界が今まさに、新型コロナウィルス感染症という疫病の脅威に晒され、誰もがヒリヒリとした日常を送る中、日生劇場で上演されているミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』は、そんな現代人に、一つの疑問を投げかける。人間が真に恐れるべきなのは、人間が持つ狂気なのではないかと。

19世紀のロンドンで起こった“切り裂きジャック”の事件をモチーフにしたこの作品は、2007年にチェコで生まれた。2年後に韓国で上演された際は、大幅な脚色と新曲の追加などを経て、10年以上にもわたって上演される大ヒットミュージカルになった。その『ジャック・ザ・リッパー』の日本版で、木村達成さんとダブルキャストで、主人公ダニエルを演じているのが小野賢章さんだ。

『ジャック・ザ・リッパー』中央にいるのがダニエルを演じる小野さん 撮影:田中亜紀
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声優として、「ハリー・ポッター」シリーズのハリー役や『黒子のバスケ』の黒子テツヤ役などで活躍。ミュージカル俳優としては、小池修一郎さん演出の『ロミオ&ジュリエット』(17年)のマーキューシオ役、IHIステージアラウンド東京で上演された『ウエスト・サイド・ストーリー』season2(20年)のリフ役などを務めた。14年には歌手としてもデビューしている。

多忙を極めている小野さん。このミュージカルに出演を決めたときも、稽古期間をきっちり取れるかどうかが一番のネックとなった。

「もともと、韓国映画がすごく好きなんです。人間の汚い部分や醜い部分も、包み隠さずに表現しているので、いつも、『隅々まで気合が入ってるな。パワフルだな』と思う。その韓国でヒットしたミュージカルということで、歌に関しては、数々のミュージカルに出演されている方々と対等に渡り合えるのかが少し不安でした」

撮影/山本倫子
小野賢章(おの・けんしょう)
1989年福岡県出身。子役として活動しながら、映画「ハリー・ポッター」シリーズのハリー役をきっかけに、2001年より声優としても活躍。『黒子のバスケ』黒子テツヤ役、『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』ジョルノ・ジョバァーナ役などを務める。そのほか、劇場版アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(ハサウェイ・ノア役)、映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(マイルス・モラレス役)など。またミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(17年・小池修一郎演出)マーキューシオ役、『ウエスト・サイド・ストーリー』season2(20年)のリフ役などを務めた。14年には歌手デビューも。